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2012年7月29日 (日曜日)

ロボティクス・ノーツ感想(警告ネタバレあり)

 クリアしてない人は読まないでください。ゲーム版はスルーでアニメは観るつもりな人も読まない方がいいと思う。

 まずキャラクターごとに語ります。

 八潮海翔

 言っちゃ悪いけど、空気主人公(汗)。
 色々行動するのはあき穂にくっついてのことで、自分から動くことが滅多にない。役割を求められない状況では大体キルバラやってるし、ロボ部が忙しい時に限って君島レポート探し(このミニゲームメチャメチャウザかった!この作品最大の失敗)。
 人殺しの濡れ衣をかけられそうなフラウを、スローモーを使ってまで助けたり、あき穂が一人きりになりそうな状況で、キルバラ勝負をわざと負けることであき穂の支えになったり、ゲームが絡む場面ではなかなか一肌脱ぐし好感度高い。だがそこ以外では存在感薄い。
 ラッキースケベの体質あり(綯の水着姿を見る、フラウの全裸を目撃、あき穂とダブルベッドで一緒に寝る)。

 瀬乃宮あき穂

 この娘の方がずっと主人公っぽい。
 1章で教頭先生とのとても「交渉」とは言えない交渉を見た時は「こんなヒロインで大丈夫か?」と懸念したものだが、終えてから振り返ると「大丈夫だ、問題ない」と言えるヒロインでした。
 彼女のロボットへの愛情は本物で、神々しく見えるほどの「お母さん」ぶりを披露してくれる。これだけ愛されていればガンつくシリーズも本望だろう。
 あき穂「スバルは、うちを恨むかもしれないね」
 この台詞が出てきたことで、俺は不覚にも「夢」の意味をこのトシになって学んでしまった。夢とはきれいごとではなく、誰かを傷つけたり、誰かに憎まれても、成し遂げたいことを成す、ってものなのな。
 11章の最後で君島コウに宣戦布告したり、宏武が壊した昴のロボを泣きながらかばったりと、魅せ場は多々あり。

 日高昴(ミスター・プレアデス)

 とりあえず「やめてくだちゃい」や「そんなことありましぇんよ」となってしまうのは今のうちにどうにかした方がいいと思うぞ、昴きゅん。
 Mr.プレアデスとして、ギャグを、特に赤い彗星のあの人絡みのギャグを連発してくれる(それはむしろあき穂だった)ことを期待したが、そんなことはなかったぜ!あの仮面にあの額のマークなのに。
 頭はいいが人としての器が小さい、今流行りのタイプで(何で流行ってるんだろう)、例えばあの一件のことで淳和が必死で謝ってるのに、あまりリアクションをしないってことは、昴は淳和を恨んでいたってことで…。先輩の女の子が泣きながら土下座までしてるんだから、優しくしてやれよ。

 神代フラウ(古郡こな)

 今作最大のギャグキャラ。ある意味でダルを越えている。
 ていうか7章はあれだけ深刻な事態が進行してるのに、彼女はその渦中にいるのに、あれだけギャグをかませるって恐ろしい子…!それだけ余裕があれば大丈夫じゃね?と海翔に危うく思われるレベル。おそらくは彼女なりの自己防衛の手段なんだろうけど。
 「栗悟飯はカメハメ波」氏のアカウントを紹介するのが(要・ツイぽのフラグ立て)フラウってことは、やっぱり「侵入を許したことが無い砦は頼もしくて、侵入に成功したことのない兵士は頼りない」をこなちゃんに吹き込んだのは紅莉栖ちゃんってことですな!(笑)今作のキャラとシュタゲキャラとの意外なつながりは、なかなかのファンサービス。
 誰も彼女を「神代フラウ」と呼んでない件。海翔は「こなちゃん」だし昴は「古郡」。多分志倉さんはあき穂に「フラウ坊」と呼ばせるギャグをやりたかっただけでは?
 彼女は名塚さんの演技が実にいい!喋り方だけであんなに笑えるとは。分かってるけど、声優ってすげーな。

 大徳淳和

 ドクとの和解シーンはあんまり感動出来なかったな…。
 ヒロイン陣で一番ストレートに「かわいい」と思うキャラ。低身長に短髪もいいけど、あの日焼け振りはなかなか。公式イラストでの空手着着てた彼女は体格よさげに見えたけど、アレは服のお陰だったのか。
 家族はかなりしょうもない人々だった。大徳家の支配者は淳和?
 「都市伝説マニア」の設定はあまり活かされなかった。
 「すーぱーりんぺい」ってどんな型なのか、ちゃんと見たかったよねえ。

 愛理(行舟愛理、ゲジ姉)

 海翔「君島コウってロリコンなの?」愛理「ロリコンなんですよー♪」海翔(君島コウのイメージがかなり崩れたな)
 いや、そんな話を嬉々と語られても(うろ覚えですみません)。
 プレイ前彼女の正体をロボットと予想したが微妙に外れた。
 愛理とゲジ姉がしょっちゅう入れ替わるんだけど、どちらかというとゲジ姉の方が好み。
 彼女に「キス、してほしいです」と言われてポケコンの画面に口をつける海翔、これはどこのラブプラスなのだ(笑)。
 ARアノテーションである愛理の記憶が行舟愛理の記憶にフィードバックされる理由は明かされなかったが、仕組んだとしたら君島コウの仕業。君島は彼なりに愛理を愛していたみたい。AR君島は行舟愛理を殺そうとするけど、オリジナルのコウとはかなり違う人になっちゃったんでしょう。愛理と行舟愛理も大分違う人だし。
 「自分」の為に君島を裏切るゲジ姉、カッコよかったよ。

 採点

 ストーリー・9
 11章がほとんど説明に使われるのと、12章がかなりご都合主義。それさえなければ…。

 キャラクター・9
 主人公が空気なのは×。あき穂にももう一つ魅力を強める何かが欲しかった。

 グラフィック・7
 ビジュアルで売るゲームではないのでまあこんなもん。

 サウンド・8
 志倉社長が書いたオープニングとエンディングは相変わらず良い。BGMは及第点。

 システム・6
 君島レポート探しのめんどくささと意味の無さ、コレもあまり意味のないシナリオ分岐、ジオタグ探しもイマイチ、格闘ゲームをやっている気に全然ならないキルバラ対戦、他にもあるが今回はとにかくシステムの不備があまりにも多すぎた。
 「インタラクティブ性に欠ける」批判を気にして中途半端に双方向にしてしまったのが裏目に出た。「このシリーズは電動紙芝居だ!」と自分たちで言った事に開き直った方が良かったと思う。

 総評・9
 システムをあれだけ批判したが、そうは言っても物語がこれほど面白いゲームはなかなかない。私の持論として「最近は物語の面白いゲームが少ない」不満が渦巻いているので甘い点になってしまうのはお許しを。早くも次回作が発表されてワクワクしているが、その作品(題名はまだ未公開)ではシステムのまずさは克服してほしい。信じてますよ、千代丸社長。

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コメント

君島レポート探しは確かにどうかと思いました。自分は攻略サイトのお世話になりましたけど…最初の1つだけは自力で探しましたが、残りはノーヒントなので辛すぎる。

実際ADVゲームはどこまで言っても高級な紙芝居だというのは製作者のおっしゃるとおりなので、開き直ったらよかったのにというIvanさんの感想には賛成です。ADVのキモはシステムじゃなくてシナリオですからね。

でもシュタゲの大成功に甘んじることなく、新しい方向性を模索したことは評価したいです。僕も次回作にも期待してますよ!

投稿: yukkun20 | 2012年7月31日 (火曜日) 午後 10時48分

>yukkun20さん

>君島レポート探し
 私は最初の一つも攻略サイト頼みでした(汗)。捜してる途中にサブイベントでもあれば違ったんですけど。せめて関係ない所調べた時に、無駄でも面白い台詞が仕込んであれば…。

>ADVのキモはシステムじゃなくてシナリオですからね
 いや、逆転裁判やサウンドノベルやるとシステムも大事だと感じますが。シナリオの面白さに追いつかないシステムじゃダメってことです。

投稿: Ivan | 2012年8月 6日 (月曜日) 午後 09時31分

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