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2016年10月11日 (火曜日)

「背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~」7巻感想…というより説明のような(ネタバレ)

 いつもより早く購入できました。各キャラ(ペア)が更に立ってるので、今回も長くなるんだろな…w。

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 静岡県立鹿鳴館高校競技ダンス部

 土屋 雅春 & 亘理 英里

 二次予選第一ヒート、土井垣&綾辻組、咲本&永島組、金龍院&神宮寺組と、三大怪獣(今回この三組はやたらセットで描かれます)ペアのバトルフロアとなってしまい、調子を崩すペアが続出しますが、つちわた(この呼称もだいぶ定着しましたw)ペアは冷静に自分たちのダンスを踊るのに専念します。…オマケの一コママンガで「三怪獣がバトルしてる下で呑気にピクニックしてるつちわた」が描かれ、そう考えると彼らは単に空気読んでないだけという見方も成り立ってしまいますがw。

 実のところ今回主役は綾辻さんなので、つちわたの出番は少なめなのですが…。しかし最後の種目、クイックステップが始まる一瞬…!
 必殺技「つちわたブースト」炸裂!!!!!
 その瞬間、会場にある全ての目が土屋くんとわたりさんに集まった!知っていたはずのチームメイトすら裏をかかれた!!何よりチャンプ・咲本でさえ全く予想外の不意打ちだった!!!(車田マンガの妄想してる場合じゃねーよつっちー!www)
 必殺技のプログラムに飛び上がるアクションもありまして、まさに「少年ジャンプ」w。もちろん、「少女ジャンプ」でもありますw。
 この瞬間のつちわた、輝いてます!今までで、一、二を争う見せ場といっても過言じゃない!つっちーのモノローグがまたいい演出。最後にわたりさんへのLOVEを見せるwコト忘れないのがわかってる(土屋くんはわたりさんがいるからこそダンスやってるw。わたりさん視点の話もいつか読みたい)。
 あまり他人をストレートに褒めない八巻パイセンも、
 八巻(完全意識の外だった…!タイミングカンペキじゃねーかあいつら…!)と心の声ですが、絶賛します。
 もっとも、「ちょっとだけの勇気」を持てなかった私には、土屋くんの進歩、心が痛いのは確かです。

 つちわたブーストは10秒ほどの技なのですが、その10秒間に限り、つちわたは土井垣や金龍院、そして咲本にも勝っていたのではないだろうか…。と考えたの、私だけではないはず。

 さて二次予選結果発表。葉澄コーチは「あなたたちには奇跡ぐらい起こっていい」と期待を示します。しかし現実は無情、つちわたは点数10P、ランク20位で敗退してしまいます。
 土屋「あ―――ッくっそ…!! ダメかぁ――ッ」
 土井垣は「紳士のスポーツなのよ?」とたしなめますが、ここは土屋のプライドがほとばしった名シーン。(ここまで悔しいのは自分でも驚いたけど)と心の声で言い、泣きたいはずなのに(涙は とっておく…!)と立派な態度。そこに!
 咲本「少年 ナイスダンスだった…! キミらの『次』に 期待しているよ…!」
 と、敵であるはずの咲本チャンプからまさかのエール!しかし咲本さんは残念王者wなので、
 咲本「名前を覚えておこう "土田"くん…!」
 つちわた・御木「土屋くんです」
 咲本「何!? そうか!すまないすまない!」
 と大ボケをかましますww。案の定、相棒の永島さんから「あんたねェ…笑ってんじゃないわよ!」と咎められる。でもそのあとの一コママンガ、
 咲本「でさっきの"土浦"くんだけどさあ」永島「あんたそれはわざとでしょ」
 このやり取りは蛇足じゃないかな?w(オマケマンガにそうツッコむのは野暮でしょう…)

 本編はここで「待て次巻」ですけど、恒例の番外編、今回はメインペア各人の趣味(ダンス以外で)が語られます。
 土屋くんの趣味は「マンガ ゲーム」ふ…ふつう~~!!ww それに私とほぼ同じだ!w ただ土屋くんは私と違い、アナログのカードゲームも嗜む。遊戯王?いや、マジック・ザ・ギャザリングじゃないかな?作者がファンですから。
 亘理さんは「パンダ」。一瞬意味わかんなかったけど、パンダグッズ集め、それとパンダの番組(動画?)観賞ですね、多分。
 亘理【ブサパンダのTシャツを手にして】(あ コレ土屋くんが着てるやつ… ほしいな買おうかな… あ…でもおそろいになっちゃうな…)
 是非ペアルックで勝負していただきたい!(なにとだ)

 番外編2もよかった。合宿後、友人たちに「美人先輩たちやわたりさんのムフフな姿を見たかったはずだ」とからかわれる土屋くん。しかし彼、(そーゆーんじゃないんだよわかってないなあ…! わたりさんはそーゆーんじゃなくてさあ…!)と心で叫んでるとき、コンビニでわたりさんとバッタリ(土屋くんと亘理さんの家や生活圏はかなり近場)。
 亘理「あっすっごい気抜いた部屋着だ私…恥ずかしー…」
 土屋(こういうのでいいんだよこういうので!!)
 亘理「?」
 これは…5巻の湯上がりには及ばないけどあざとい!どんなカッコか詳しく説明しませんけど、恐ろしい無防備さ!夕方だからまだいいけど、この格好で出歩くのはいささか心配だな…。つっちーがクるwのもうなずける。

 土井垣 真澄 & 綾辻 理央

 先に少し触れたとおり、今巻の主役はリオ先輩です。「綾辻理央」と題されたエピソードが3回続きます。
 真剣に踊っているつちわたを見て綾辻さんの心境に変化が。それで彼女、過去を振り返る。

 4歳頃、「ますみくん」と出会って競技ダンスを楽しみ始め、数年後永島沙羅と出会います。綾辻さんと親友になる沙羅ですが、第一印象、理央さんは沙羅さんが苦手でした。
 ダンスの試合、土井垣と組んで永島&咲本に挑み続ける綾辻さんですが、彼女たちは敗れ続けます。常に2位にしかなれない綾辻ペア。しかし彼女にとってそれはむしろ誇らしかった。

 時は経ち、中学生に。金龍院の相方である神宮寺美乃梨と出会い、仲良くなります。始めて半年で自分たちと近いレベルのダンサーになった美乃梨を沙羅は天才と評す。
 またこのころ、御木姉弟、柏と宮大工、仙崎と畔田と、才覚にあふれた後進たちと出会って、(私は才能がないのでは?)と感じ始める。そして名の知れたラテンチャンプが、綾辻たちの世代を語った際、理央さんの話をしなかったので、
 綾辻(何を言われたわけでもない でも その「何も言われなかったこと」が 私と沙羅の差だと 言われた気がした―――…)という自覚になってしまう。
 多分、「ジュニア世代の豊作さ」を語ったチャンプは、そんなつもりはなかったのだろう。しかしこの頃理央さんは中学生。自意識過剰で、他人からの評価に極めて敏感な年代。繊細な年頃だから、その程度の事でも、傷ついてしまう。

 さて土井垣くん、高校進学を機に、咲本ダンススクールを辞め、鹿高にダンス部を創設します。理央さんはそれに付き合います。
 真澄くんがダンス部を作った理由は作中でまだ明言されてません。なんとなくわかる気がしますが、今は私の解釈、語りません。一方理央さんは土井垣くんに感謝してた。
 綾辻(沙羅とも距離を置きたかった 沙羅は親友だけど これ以上一緒にいたら私は 沙羅に一生かなわなくなってしまうと思ったから)
 このくだりをジャンプで読んだ際、「リオさんって、なんて繊細で、健気で、ひたむきなんだ!」との感想を持った。今まで綾辻さんは18歳とは思えないほど大人びた女性と描写されてましたが、ようやく彼女の歳相応の面が見られ始めたと喜びました。今までで一番好きなエピソードとまで思った(「つちわたブースト」を見るまで、でしたが)。

 綾辻&土井垣が二年生になって、椿と八巻が入部しました。なんとなく椿を「沙羅に似ている」と感じる理央。後で椿が咲本に憧れてると知ります。他人を指導する面白さに目覚める。
 しょっちゅうケンカする椿&八巻を見て、そちらもケンカしていた永島&咲本を思い出す綾辻さん。真澄とケンカしたことがない自身を省みて「私には相方にぶつけられる確固たる自分がない、こんな私が真澄くんのパートナーでいいんだろうか」と苦悩。
 そしてダンス歴半年ほどで全国に名を轟かせた椿と八巻を見て、「本当の才能とはこういう子たちだ、私はこんな風にはなれない」と思ってしまう。ここで回想終了。
 …ここ、ものすご~く重要すぎる伏線です。お楽しみに。

 回想を経て綾辻さん、土井垣くんを前にこう内省します。
 綾辻(私は真澄くんとカップル解消すると決めた時から勝負することを降りていた… 真澄くんは 勝負することを諦めてなんかいなかったのに 真澄くんと私…! "二人"なんだ…! 今日の競技会で最後になるのは…"私が真澄くんと組んで踊ること"じゃない…! 四歳から一緒にやってきた"二人の競技ダンス"が最後になるんだ…!!)
 そして土井垣に、ダンス人生を始めて以来、ついにたぎった熱情をぶつける。
 綾辻「二人の最後の競技会が…っ いつもと同じ結果でいいなんて思えない…! 最後に一度でもいいッ…! 沙羅たちにッ 勝ちたいッ……!!」
 土井垣は初めて綾辻がそういうことを言ってくれたのを、もちろん喜びます。そしてここからが、「綾辻理央」の本気のダンスです。

 応援を口にする椿に「秋子ちゃん…… 見ててね…!」と決意を語る理央。この時点で椿は「あの事」を知ってしまってますが、それは八巻&椿の項で。さて、第二種目、タンゴの試合開始。
 綾辻(真澄くん…! 全力で踊ってください…! 私も全力でついていく… いえ…! それだけじゃない…!! 私も…!!)
 今まで土井垣&綾辻ペアで目立ってたのは土井垣でしたが、この試合は真澄の「パワフル」さを活かしながら綾辻の「セクシー」振りを前面に押し出してる(ボキャブラリー貧弱で大変申し訳ない)。理央の「つま先」がグッと来る。一コママンガで描かれてる、綾辻が「剣」で土井垣が「盾」とはシンプルで上手い表現。
 綾辻(ドキドキしてる…! 真澄くんとのダンスで… こんなに表現したのは初めてだから… うまくいったかな…? 勝てるかな…?私たち…)
 弱気にはなってない。しかし初めてやるダンスなので、多少の緊張と不安は否めない。
 土井垣「思いつきでやってみたにしては できすぎな程だったわよね」
 ちゃんとフォローする真澄。偉い。そのあと気合を入れるのも忘れない。流石。

 土井垣については、
 土井垣(このヒート… つっちーたちに気を配る余裕は… ないかもしれないわね……)
 心配無用とは考えてなかった。むしろ、三大怪獣が初心者のつちわたに、一泡吹かせられると思わなかった。そこは土井垣、嬉しかったかも。

 二次予選は一位タイ、満点通過。おわかりでしょうが、綾辻さんの本気はこの程度で終わりません。選手・審査員・観客はもちろん、読者(私)に斬新な印象与えた、「シン・リオ」wです。無論土井垣も、後輩たちの無念を背負って優勝する覚悟。8巻に続く。

 番外編の趣味公開、綾辻さんは読書。「なんか普通すぎて恥ずかしい…」いえいえ、メインキャラの中で一番マトモな趣味。
 土井垣は、ダンス以外の趣味…特になしw。なんだ、意外とつまらんオトコだな。

 八巻 章 & 椿 秋子

 今巻も前巻同様ペアとしての出番は少ない。しかし前巻の感想でこのペア扱った方がよかったと反省したので、紹介。

 なぜか客席から控えのフロアに降りてきた秋子先輩。章はその意図を見抜いた。
 八巻「おい あいさつぐらいしてこいよ 咲本さんに」
 椿「は!? い…いいわよ別にそんなの…!」
 八巻「いいからちゃちゃっといけよ そわそわされるとうっとーしいんだよ」
 藤田「秋子先輩!うちらの応援は大丈夫なんで!」
 椿「もーわかったわよ…!すぐ戻るから待ってて…!」
 藤田「八巻先輩…いいんですか?秋子先輩のこと…」
 八巻「いいんだよ俺と秋子は"そういう"んじゃねェ」
 八巻と椿の関係が深く語られるのはだいぶ先になりそう。それはともかく、八巻のとりなしが椿を「家政婦は見た」状況wに送ってしまう。

 椿が咲本さんにあいさつした帰り、偶然土井垣と綾辻の会話を聞いてしまい、これが綾辻たちにとって最後の試合だと知ってしまう。同時に咲本、永島も聞いてしまうが、このペアの反応は後で。
 仲間の元に帰った秋子、綾辻にぎこちない応援をしてしまう。綾辻はそれに「見ててね…!」と後輩に示しをつける覚悟を。
 思いあぐねた秋子は、一年生にはとても言えないと判断し、同年の八巻に打ち明け相談しますが、章くん、
 八巻「今日が最後の競技会ってのが本当でも 部長たちの問題で俺らに関係ねーわけだし 今日で最後なら 今日勝っときゃなゃならんくなったってだけだ…!」
 あまりに合理的過ぎる八巻の言葉に、口にこそしませんが椿は立腹。伏線と思われます。

 八巻の趣味はカラオケ、マンガ。【高二病傾向】とありますが、ベルセルクやハンターハンターが好きなら、高二病より大二病の気だと思うw。
 椿は空手。父の道場でなんとなく続けただけらしいが、これがダンサーの実力につながってるのだから、人間どういう経験が幸いするかわからない。

 八巻 章 & 藤田 ひらり

 さて試合に出てる彼ら、初試合なのでつい熱くなる藤田さんをクールダウンするようにリードする八巻。秋子とのペアでは印象薄いですが、ちゃんとリーダーとして優秀なのがわかる。
 部長たちの動向が気にならないわけではないのでしょうが、今は自分たちの試合が大事だと考える章。椿はそこも気に入らないのですけど…。
 鍛錬を積んでても初心者、ひらりんはガス欠になり始めます。八巻の負担になるまいと空元気を吐く藤田さんですが、
 八巻「うそをつけ!」と無意味な発言を咎めると同時にひらりんを気遣う。
 二次予選終盤、ひらりんは、
 藤田「先輩…私… 先輩の足…引っ張りたくないっす…」
 弱気を見せるか、と思った八巻ですが、
 藤田「こんな…ヘロヘロですけど…! でも…っ八巻イズム入ってるんで…! かっ…勝ちたいんで…!!最後までっ… 付き合ってやってください…!!」
 藤田さんの根性に感動した(反応こそ控え目ですが)八巻、「まだいけそうだ…!!」と諦めません。

 二次予選結果、合計14点、15位で敗退。つちわたより上位ですが、及びませんでした。
 ここで藤田さん!
 藤田「せ…んぱい…すみませ… たぶん…ていうか… 確実に… 私が足ひっぱったせい…で…」
 待って!それはアスリートとして一番言ってはいけないこと!
 とっさにタオルでひらりんの目をふさぐ八巻くん!
 八巻「くだらねーこと言おうとしたから封印 次はリベンジだ 正式なリーダーが見つかるまでは 俺に付き合ってもらうからなひらりん…!」
 ナイス判断の八巻に秋子、
 椿(ホント…女の子の扱いだけは上手いんだから…)
 と微妙な評価。章が一年生の頃どんな言動を取ってたか気になりますね…彼女いたそうですが。

 藤田さんの趣味はお笑い番組鑑賞。似合いすぐる。「ガハハハ」てw。

 咲本ダンススクール

 御木 清斗 & タチアナ・クリロワ

 改めて読むと、こいつら今回出番少ない…。

 御木「ずっるいなあ…」
 第一ヒートで踊る選手たちに嫉妬する御木。どうやら三強ペアと戦える彼らがうらやましいらしい。

 土屋、亘理の見事な「つちわたブースト」を観て。
 御木(「決勝で会おうって言い合える仲に」なんて いつか冗談で言ったことあったけど… 本当に… 本当にキミらと決勝で踊れたら… きっと楽しいよ…! だから… あがってきなよ…!! 土屋くん…!)
 待て御木、アレ冗談だったのかw。仕方ないな、実力差は今でも大きく開いてるのに、初めて会った頃は戦うことすらできないレベルだったもん。
 予選満点で一位タイ通過。のわりに活躍した印象が…だから第一ヒートへ入りたがってたのだな。

 御木の趣味、写真。この趣味は個人的にあまり共感できない。
 ターニャの趣味は、「最近は日本語勉強」。待て待て、それはいいが書写してるのが「油そば」???(つっちーがよく着る変な言葉Tシャツのレパートリーの一つwww)

 咲本 譲治 & 永島 沙羅

 いよいよ彼らも真価を見せはじめる。

 花園&御木恵実の企画で全国大会に来てるテレビ局、三強に取材しますが、咲本のダンス哲学は独特。
 咲本「自分たち以外の他の選手はライバルでもあるが… 共演者でもあると私は考えています ダンスはショー…! 舞台にいる選手全員でショーを盛り上げていくものだと…!」
 恐らく咲本は、プロダンサーを目指している。それを見据えてのエンタメ精神なのだろう。

 咲本のこと好きな椿があいさつに(綾辻の回想にもやりとりあり)行くと、
 咲本「おおきみは 土井垣のところのラテンの子!」
 永島「秋子ちゃんでしょ!覚えといてあげなさいよまったく!」
 咲本「はっはっは冗談だわかってるアキコちゃんだろう」
 咲本には「天然で忘れてんじゃね?」と思わせるとこ、確かにあるけど相方からも信用されてないとはw。
 永島(この子もだいぶ変な子よね… こんな熱心な女子ファンいないわよ…)
 けっこうひどいこと思う沙羅。理央はここが苦手だったのか?w

 理央さんの回想で咲本と永島の過去も語られますが、小学生の頃から彼らは、
 永島「だから!きゅうにへんなうごきするのやめてってば!」
 咲本「だってこっちの方がたのしいじゃないか!」
 永島「ちゃんとおどれるようになってからやって!そーいうのは!」
 ああだったのだとわかりますw。沙羅さんがボイコットするのもこの頃から既にw。小学校中学年からジュブナイルチャンプに君臨する。

 八巻&椿の項で触れたとおり、これが土井垣&綾辻最後の試合だと知ってしまった咲本たち。
 永島「最後の競技会って どういう意味かしらね…?」
 咲本「気にする必要はないさサラ なんにせよ土井垣たちの事情だろ 私たちが考えても無駄なことだ」
 永島「冷たい人ね」
 咲本「はっはっはじゃあ何かい? 手心でも加えるつもりかな? 二人への最後の手向けに」
 永島「まさか
 怖っ!この「まさか」と顔、冷たくて怖いよ沙羅さん!でもこれ、後の、とある表情と対になってんだよな。

 花園と恵実、想定外の奮闘に、
 咲本(いいダンスは観客や審査員だけでなく 他の選手の感情も動かすものだ…! ナイスダンス恵実ゾノきゅん…!! そして私は反省だな…!! 王者である私たちがまず…! 牽引せねばならなかった…!!)
 ゾノめぐへの称賛としていい台詞だけど、彼が恵実さんを呼び捨てにするのが一瞬違和感。でも、御木恵実は咲本ダンススクールの元後輩でしたね。咲本は御木清斗も「清斗」と呼ぶし。

 永島「そーやって余裕こいてると いつか思ってもないとこから足下すくわれるよ」
 咲本「サラ そういう存在をこそ私は望んでいるよ」
 永島も咲本も、まさか言った端からそれが現実になるとは思わなかったでしょう。「つちわたブースト」は咲本にとってそれほどの衝撃だった。だからラストでつちわたにエールを送った。「そういう存在を望んでる」から。
 一位タイ通過。当然のことに思えますが、一次予選では咲本が遊んだせいでw五位だったので、永島さん安堵してます。

 永島さんの趣味はショッピングによる散財。背すピン公式ツイッターによると、靴をよく買うらしい。
 咲本は…特になし。土井垣に続き、お前もかいw。

 ゴールドダンススタジオ

 宮大工 勇太 & 柏 小春

 このペアもみきタニャ同様、意外と出番が…。確かに第一ヒート組のが得をしてる。

 つちわたブースト披露後。
 宮大工「不思議ですね 決して上手くはないむしろまだまだ拙い しかし見ていると 張り合いたくなる」
 柏「うん また一緒に踊りたいって思うよね」

 宮大工(恐らく その不思議さこそが僕たちのダンスのレベルをもう一段階高めるためのカギ… それを見極めるまでは…キミたちを見続けますよ土屋くん)
 ちょ、思い込み激し過ぎ宮大工w。もっとシンプルに見立てていいんだぞ?w
 宮大工組や御木組の活躍は次巻から。単行本派のファンはお待ちください。
 一位タイ通過でした。彼らも第二ヒートなので印象薄かった。

 宮大工の趣味は散策。ポケモンGOの影響ではないはずw。
 柏さんは…「宮大工を連れ出すこと」!ちょ、柏さん、それって!w(「一生パートナー」ゆう勘違いをする人だからな…www)

 金龍院 貴正 & 神宮寺 美乃梨

 「三大怪獣大決戦」の扉、金龍院、モスラ似合い過ぎwww(咲本はゴジラ、土井垣はキングコング)。

 綾辻の覚醒を前にして、
 金龍院(やられたよ土井垣… そして綾辻嬢… キミらの新しいスタイルは… だが 華麗さにおいて僕が 僕たちが遅れを取るわけにはいくまい…!)
 畔田「汗すごいっすよ…無理しねェ方が…」
 金龍院「別に消耗しての発汗じゃあない心配するな 今仕上がった…僕のベスト体型…!!」
 …ここを描いた時点では本当にベストコンディションとして描いてたんだろうな…。
 この後の一コママンガには笑った。お前はフリーザか!wwwww
 一位タイです。順位に関わらず、第一ヒートで踊ったペアは得をしてる。

 神宮寺の趣味は弓道。上手くはないらしい。ゲームでも弓って難しいよな(関係ねぇ)。
 金龍院のは、別になし。…と、お前もかい!この三大ダンス馬鹿!トップダンサー男子ってみんなこうなのか!?(偏見)

 畔田 満影 & 仙崎 奈緒美

 こいつらは流石に…出番の作りようがなかったな。いいペアですが。

 綾辻の回想で、
 畔田「咲本譲治が今日の競技会に出てるって!? バカヤロウ早く言え!色紙買ってくっぞ!!」
 仙崎「うひょー小物!」
 畔田のかわいさは昔からw。

 仙崎の趣味は食べ歩き。でもマンガのシチュでは…。
 畔田のは、料理。実家がレストラン。
 仙崎「ねェ―まだぁー!?」
 畔田「もーちょい待てっつーの!そこら辺の店で食うよりはるかに美味いもん食わせてやっからよ!」
 仙崎さん、それ食べ歩き言わないw。でも仲いいなあ…。もちろん金龍院たちや宮大工たちのめしもよく作ってるだろ、畔田?w

 金色のツバメたちへ(テレビ番組)

 花園 亮 & 御木 恵実

 やっとこのペアまでたどり着いた…(前も言ったなこれ)。

 前巻、道化の印象しかなかったゾノきゅん。同じアイドルとして番組の企画で競技ダンス全国大会に出た御木清斗の姉、恵実。
 恵実「やめて~~ライバルとかそういう次元じゃないですこの人たち~~」
 三大怪獣と同じ画面に収められ、テキトーに「ライバル」呼ばわりされてしまうゾノめぐ。ゾノはともかく、恵実さん、かわいそうにw(彼女は元ジュニアチャンプなので三怪獣の実力は弁えてる)。

 金龍院のゾノめぐ評。
 金龍院「リードの技術が高いし それを受けてのフォローもしっかりしてる!スジ"は"いい!(男女逆の話)」
 解説が必要。「男女逆の話」とは、普通、競技ダンスでは男性が「リーダー」と呼ばれ、「パートナー」と呼ばれる女性にアクションを仕掛けて「リード」して、指示をする役割。一方女性の「パートナー」はリアクションを返して「フォロー」する。
 もちろんこれは絶対の力関係ではなく、ペアの個性や競技中の状況によって変わる。それこそ今回の綾辻さんはかなりリードしてるように見える。で、ゾノめぐの場合、ほぼ恵実がリードして、花園はフォローしている。ゾノはそれをイマイチ、理解してない…ように見えるよね?w(見事に騙されました)つまり金龍院は恵実を褒めてて、花園には皮肉を言っている(「は」のあたり)。

 恵実「曲が始まったら… 花園さん あの三組のことはできる限り無視してください」
 語る機会を逃していましたが、三大怪獣揃いの演技は、迫力凄まじかった。存在感とダイナミズムの土井垣組、低身長・高体重ながら、誰よりも華麗な金龍院組、時に王道・時に変則、魅せるダンスの咲本組、そんな彼らに競演者の多くが飲まれてしまい、ペースやスタイルを崩されてしまいます。
 「こいつら完全に巨大怪獣だ…!! そんな中に入っていけるかよ…!!」
 それを知ってる恵実さんは、なるべく三強を意識せず、自分たちのダンスを踊るのが第一と花園をリードします。そんな経験豊かな恵実さんよりつちわたの方が冷静に踊れてるのが不思議ですが。あら?やっぱつちわたは空気読んでないだけ?ww

 しかしゾノきゅん、だんだんいいところ見せはじめます。体力で花園に劣るのに、リードをして辛そうな恵実を心配します。
 一方恵実は弟・清斗の成長ぶりに感心します。弟が立派になったのに、自分はアイドルとして輝けていない、そのことに劣等感すら感じてる描写です。
 花園「……めぐちゃん…… なんか俺にできることあるかな?」
 恵実「……… あの…すいませんないです」
 花園「ないかあ~~ッ!」
 バッサリ斬られるゾノ。だがここから花園が男を見せてくれる(正直「まさか」でしたw)。

 恵実が考えた点数稼ぎの戦術で踊ってきたゾノめぐペアですが、ゾノが作戦の変更を唱えます。
 花園「俺らアイドルだしさ 見てる人達のために もっとキラキラしてるとこ見せなきゃいけないんじゃないかなって」
 ゾノは、恵実が練習の時とても喜んでいたのを指摘して、「ダンスはそんなけわしい顔してやるもんじゃないっしょ!」とアイドルの先輩らしい喝を入れます。「思いっ切りやってやろうよ!」とハッパをかけ、「なんもできないけどついてくよ!フォローのスジはいいってほめられたし!」とさり気なく金龍院の言葉を理解してたのも示す。この作戦は咲本と似た方向性に思える。

 ゾノファン女子の間で、「ゾノきゅんはもう勝てないかも」とのあきらめムードが漂いますが、「みんな…!なに弱気になってんの!! ゾノきゅんは今まで何回も… ピンチ乗り越えてきたじゃん!!(色んなピンチ… 乗り越えてきたじゃん…!)」と骨のある叫びも。しかしゾノきゅん、色々やっているのだなw。
 そして二次予選第三種目、スローフォックストロットの試合でゾノめぐ、アクセルを吹かし始める。
 スローは名の通り、静かでゆっくりと流麗な動きの種目なので、元気を出すのは点数的に不利と思われますが、「リミッターを外してフルパワーでやる」方針に変えたゾノめぐは気にしていません。むしろ久しぶりに競技ダンスを全力で踊れることに、快感を覚える恵実。「ほう!元気がいい!」と金龍院も褒める。

 と、思ったら、花園、演技の最中にすっ転んでしまいます。抗議する恵実にゾノは、「テレビ的にアクシデントはむしろ歓迎 ダンス的にもすぐにリカバリーすれば減点にはならない…だろ?」とまるで計算したかのような台詞。そこで恵実、「さっき転んだの わざとだったりします?」と問うと花園、「あははっさあ… どっちだと思う?」と!
 恵実(もしかしてこの人…私が思ってるよりずっと… 強かなのかもしれない…!)
 多分恵実さんは、花園を「所詮競技ダンスでは素人」と、どこかで侮っていたのでしょう。しかしアイドルとしての才能と経験を武器に競技を盛り上げる花園を見直し、「私の方が浅はかだった」と反省したんだと推察します。
 このあたりは恵実的にも読者(私)的にもゾノきゅんの株ダダ上がりのエピソードでした。

 二次予選結果、合計9点、21位で敗退。つちわたより点も順位も一つ下に終わりました。でもこのペア、予想以上の健闘は私、大いに感激しました。本気で悔しがる恵実さんもまたいいのだ。7巻影の主役組と言っていい。次の大会にも挑戦してほしいペアです。

 このペアの趣味だけ語られません。単にページ数の都合だと思いたい。今後に期待してるので。

 やっと終わった。こんなつまらんエントリに4日かけただと…orz。スタイルを本気で考え直そう。

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コメント

相変わらずご飯が食べられそうな濃いさです。ぼくもレビューを書き終えたんで改めまして。

> この瞬間のつちわた、輝いてます!
大ゴマ連発でしたからねー。カラーじゃなかったのが残念すぎるくらい。

> 土屋(こういうのでいいんだよこういうので!!)
学校外なのに学校指定の服を着ているともれなく萌えますよね。

> そしてここからが、「綾辻理央」の本気のダンスです。
理央先輩はいつも一歩引いた立ち位置のキャラでしたからね。でも彼女まで熱血になってしまうとブレーキ役不在になってしまうので、練習の時はこれまで通りでいてくださいw

> 咲本「自分たち以外の他の選手はライバルでもあるが… 共演者でもあると私は考えています」
これはリップサービスじゃなくて、本心からそう思ってるっぽいですよね。だから彼は他の選手を見下げたりしないし、称賛の言葉も惜しまない。その上で自分が勝てばいいと思ってる。まさに王者。

> 咲本はゴジラ、土井垣はキングコング
あれ?三大怪獣だから、咲本がラドン、土井垣がゴジラじゃね?

> 仙崎「うひょー小物!」
あのコマ好きです。なんだかんだで一緒に行って上げてるのがいいところ。

> 「なんもできないけどついてくよ!フォローのスジはいいってほめられたし!」とさり気なく金龍院の言葉を理解してたのも示す。
ああ、金龍院のセリフを受けたコメントだったのか、気づきませんでした。ソノきゅんの評価がまた上がってしまった。

投稿: yukkun20 | 2016年10月30日 (日曜日) 午後 10時37分

>相変わらずご飯が食べられそうな濃いさです
 いや、背すピンのレビューとして個人的にワーストなエントリ書いちゃって…。読者の印象がまた違うのはわかってますが。

>カラーじゃなかったのが残念すぎるくらい
 色付きで読みたかったねコレ!

>学校外なのに学校指定の服を着ているともれなく萌えますよね
 あら?ショートパンツに「北西中」とあるので中学時代の服を着古してるのだと。高校生でも何の違和感ないわたりさんどうかと思うけど、だがそこがいい!w

>でも彼女まで熱血になってしまうとブレーキ役不在になってしまうので、練習の時はこれまで通りでいてくださいw
 彼女の性格大きく変わる可能性ありますねw。確かに綾辻さんが唯一のブレーキ役だ。一年組にはそれ要求できないし、二年組はどちらもアッパー系のキャラだしw。

>リップサービスじゃなくて、本心からそう思ってるっぽいですよね
 ですねえ。単に実力があるだけじゃなく、精神性も王者に相応しいんですよ。その割に残念な人なのがますますキャラとして面白い。

>三大怪獣だから、咲本がラドン、土井垣がゴジラじゃね?
 ゴメン。怪獣に詳しくないんだ(汗)。

>なんだかんだで一緒に行って上げてるのがいいところ
 畔田のことちゃんと好きなんですよ、仙崎さん。

>ソノきゅんの評価がまた上がってしまった
 まだジャンプ読んでない読者にはネタバレだけど、彼は去り際も魅せてくれる。

投稿: Ivan | 2016年10月30日 (日曜日) 午後 11時32分

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