横田卓馬先生のジャンプ新連載マンガ「シューダン!」が面白すぎるので緊急更新!
改めて横田先生ジーニアスですわ。
皆さん言ってますけど、今作大きな懸念があって、それは「少年ジャンプのサッカーマンガはヒットしない」ジンクス。
ジャンプは「キャプテン翼」がサッカーマンガのパイオニアとして、ジャンルを作ったまではよかったのですが、キャプ翼より後のサッカーものは鳴かず飛ばず。辛うじて当たったのってせいぜい「ホイッスル!」ぐらいで、今やジャンプはサッカーマンガ不毛の地。
そこに横田先生の新作がサッカーと聞いて不安に思った人が多い。先生は面白い作品、背すピンだけではなかったので、そこは信用してましたけど。
蓋を開けると、実に横田先生らしい傑作で、少なくとも作品のクオリティに、心配は一切なくなった。
始まりは、男ばかりの少年サッカークラブに、女子が1人入って来て、男子一同ドッキドキ(正確な表現じゃないけど、そうなるに決まってるw)という、これだけ書くとありがちなシチュエーションですが、それがなんでこんなに面白いんでしょう?w
まず上手いのが、主人公たちの年齢を「小学校6年生」に設定したこと。
小6って、男女が体力面でも、精神面でも、性差が問題にならないギリギリ最後の年代。だから女の子がフットボールクラブに入るの、ありえない話じゃない。と同時に、性が意識される最初の年代でもあるので、非常に絶妙なセンを突きました。
第1話では、主人公のソウシ、ヒロインのナナセさん、それとタダモノではなさそうなロク、この三者にフォーカス当たってますが、そこは「キャラクター全員が主人公」が主義の先生、群像劇になる匂いプンプンです。
たぶん女子はナナセさん一人で終わらず、二人目、三人目が選手として浜西FCに入ると予想。まさか今どきのマンガで、「紅一点」などという時代遅れのキャラ配置はされないでしょう。
ロクはかなりキーキャラの予感がして、ナナセさんを見てストレートに「かわいい」と言ったり、それからすべての男の子読者に、とっても知っててほしいことをサラッと言う。
「うちの姉ちゃんが言ってたんだよ 『女子とは今の内に仲良くしとけ』ってさ じゃないと後で死ぬほど後悔するらしいぜ」
すんばらしい読者への教育!www私は幼いころ、女子と喧嘩しなかった。ブスとかバカとかデブだのと言ったこと、一度もありません(例外は妹で、激しく反省してる。悪かったよマイシスター)。だから後で得をした。男にとって絶対の真理wwwww。
相変わらず横田マンガのヒロインはかわいい。なかなかのビッグマウスで、気遣いが逆に無神経なとこあり、そしてクライマックスでヘディングをかまして(並のマンガならボレーを打たせてるけど、そうしないのが横田先生)土にまみれる、男前で泥臭い娘で、クセがある方。わたりさんとはまた違った魅力を、ナナセさんは持ってる。というか1話では主人公にさえ見える。
「たかが」ミニゲームなのにソウシ、ナナセさん、ロクのハートに火が点いて、本気になってたのは上手くて、これからが楽しみになる演出。やっぱこういうマンガは、キャラクターがマジになってくれないと、読者も楽しめないんです。
気づいてる人多いと思いますが、小6のソウシ、ナナセさんたちの等身が背すピンで高1のつちわたとそれほど変わらない件w。下手するとつちわたのが小っさく見えるww。先生、つちわたを子供として描き過ぎたこと、反省したのかな?w
横田作品なので、「目指すは全国制覇!」なノリではない。しかし監督が巨勢達也てw(彼が浜西FCを率いてるのは背すピンでほんのわずか語られてる)。どんだけ「こがねいろ」キャラ大事にしてるの先生。
巻末にある目次の作者コメントがまた良くて、
「前作から四か月、ペースを忘れる前に連載できてよかった!頑張ります!」
先生どれほどマンガ描くの好きなんですか…。背すピン最終巻からはたった二ヶ月しか経ってない。マンガ家としていい意味で貪欲な人。
今後の展開期待大です。単行本が出たら、感想エントリ書くと決めました!
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コメント
一度面白い漫画を掲載しても、2作目が面白いとは限らないこの業界ですが、杞憂だったようですね。
最近のスポーツマンガといえば、性格破綻者が多すぎてそれだけでテンションだだ下がりなのですが、長生きしているスポーツマンガを見れば、そういうキャラはアクセントにしかならないということは明らか。その点シューダンはキャラクター一人一人に愛情をもてる、すばらしい構成になっていたと思います。
ジャンプらしく1話目から展開が早かったですけど、詰め込みすぎとは感じない絶妙な塩梅で、本当に期待大。これまでスポーツ漫画を購入したことがない自分ですけどコミックス買おうと思います。
投稿: yukkun20 | 2017年6月13日 (火曜日) 午後 10時58分
>一度面白い漫画を掲載しても、2作目が面白いとは限らないこの業界ですが、杞憂だったようですね
私は背すピン以外の横田作品も、面白いと知ってたので、その心配は少なかった。
>最近のスポーツマンガといえば、性格破綻者が多すぎてそれだけでテンションだだ下がりなのですが
そうなんですよねえ。なぜかジャンプのスポーツマンガって、普通の人間少ないんです。その辺シューダンは「こういう奴いるよな」と思えるキャラクターばかりで、好感持てる連中です。
>ジャンプらしく1話目から展開が早かったですけど、詰め込みすぎとは感じない絶妙な塩梅
でもあのスピード感なのに54頁もあるのは驚愕。そんな重さ、全然感じませんでしたよね?横田先生の構成力には脱帽するばかり。
>これまでスポーツ漫画を購入したことがない自分ですけどコミックス買おうと思います
背すピンもスポーツマンガだったと思いますが。ともあれ、私もあまりスポーツマンガは買わないので、気持ちはわかる。背すピン以外だと、アイシルとP2!くらいですね。
投稿: Ivan | 2017年6月13日 (火曜日) 午後 11時21分