「シューダン!」3巻感想(ネタバレ)。制服が!水着が!!おしりが!!!(Ivan…お前なあ…w)
表紙
小学校卒業を前に、浜西一同全員集合。後で語りますが、ナナセさん(何度でも言うけど、彼女には愛を込めて「さん」付け)、中学校の制服姿、かわい過ぎ。横田先生、写真の様な構図好きですし、上手い。
単行本折り返し
横田先生がこう語っておられます。
「『自分がこれまで体験したことをマンガに描けばそれだけでオリジナリティ出ますよね』って昔、友人の編集さんに言われてその通りだと思った」
いや、それはそうなんですけど、それを実行できる人そうはいない。また、これは横田マンガにリアリティが出る秘訣でもある。でもそんな真似も普通は出来ない。改めて恐ろしい才能。
17話・全力少年
前巻はロクがボレーを打つところで「引き」でしたが、そこから再開。ロクの、ものすごいシュートが追塚のゴールを襲う!
「惜しいぃぃ!けどロクすっげえシュート!」
バーに阻まれ、決まりませんでしたけど、いよいよ「両角禄郎」の本気が始まる!
「ナナセ!立てるか?」
パスを出してくれたナナセさんに手を差し伸べるロク。2巻ラストで明かされましたが、ロクにとってナナセさんはサッカー選手としての憧れ。
「やっと本気出してくれる気になった?けどまだ仲直りはしないからね」
ロクの手を取ろうとするナナセさん。しかし!
「じゃあ手貸すのもなしだな」
と、ロクらしからぬ冗談をかます。更にはソウシに、
「頼むぜソウちゃん」
とまで。でもソウシ、そのらしくなさを歓迎する。
一方追塚、かつてのチームメイトの凄味に敵ながら燃えるダイゴ。そして律は「追塚最強は俺!」の自負を持つ。
浜西はロクだけ最前線に置いておくフォーメーション。ディフェンスは固めてるはずの浜西、そこにダイゴ急襲!3人がかりで止めようとしますが、敵わない!更にキーパーのヤスを抜く。大ピンチ。
どフリーダイゴのシュート、しかしキャプテン・ヤマトがブロック!まだボールはダイゴに!そこをソウシがクリアー!危機を脱す。ナナセさんからロクに回る。ここでロク、ボールを貰いながら2人抜く、との離れ業を見せる!追塚キャプテン・長谷川が阻みますが、華麗なループシュートで浜西1点返す。
「ははっやった…!」
ここのロク、西美薗戦で2点目を決めた時のナナセさんにそっくり。ループシュートもそうですが、なにより表情が。意識して描いたに違いない。流石の演出。
おまけ一コママンガ。
「ワンダホー!」
本編でもロクに「ビューリホー!」と思ってしまった長谷川。敵のキャプテンとしてそれでいいのかw。彼ってジョジョやハンターっぽいキャラだよね。
18話・走れ!後半戦!
ピッチに立つ8人の背番号が並ぶ。愛があれば、番号だけで顔と名前がわかるはず。私はジャンプで、番号と顔が全員は一致しなかった。許してw。
後半戦開始直前。ナナセさんに礼を言うロク。
「ふっきれた ナナセが発破かけてくれた おかげだよ」
ロクらしいスマートさが戻ってきた。だけどナナセさん、大ボケをかます。
(はっぱをかける?)
慣用句の意味がわからないナナセさんw。彼女国語苦手だからなーw。ネットでこのボケに絶妙のツッコみ入れた人いまして、紹介しますと、
「ナナセのはっぱカッター!こうかはばつぐんだ!」
wwwww。ちなみに私、ポケモンはGOしかやってませんw。そこはナナセさんのが詳しいでしょうねw。妄想はともかく、作中ではナナセさんらしい返しをロクに。
「私 上手いのに実力隠してる人 大っ嫌いなの!だからロクくんのこと最初から嫌だった!今まで会った選手で一番ぐらいに上手いのに… ずるいじゃん!もったいないじゃん…!」
2巻の「カッコよすぎる人って苦手」って、こゆこと?w子供だからでもあるけど、本音をぶちまけるの、一切恐れてないナナセさんは偉い。ロクは彼女のそういう所にも憧れた。だからロク、
「やっぱりうらやましいな…!ナナセのこと…!」
と本音で返す。だけどロクが言ったこと、「私より上手いのに」と、さっぱり理解できないナナセさんw。これも彼女らしいボケ。
仲良くいちゃつくwナナセさんとロクを見てたソウシ。それを冷やかすヤス。ソウシ、「そーゆーんじゃねーっつーの」と追っ払うw。実際彼は、ナナセさんとロクだけ見てたのじゃなく、敵味方のコンディションを観察してた。
後半戦スタート。ロクVS律。対決してるのに口上を垂れようとする律だけど、アホかと言いたげに股抜きを仕掛けるロク。しかし律も、それでやられるほど甘い相手ではない。でもロクは心で思ってた、(負ける気がしない)と。
後半ソウシが立てた作戦、地力では追塚の方が優ってる、ならば浜西は余力を残さず戦う。そしてロクがいるならば勝てるはずだ。彼が考えたのは「全員が全力で、走って考える」サッカー。これはオシム監督へのオマージュ?筆者はサッカーに疎いので、そこの所イマイチわかりません。すみません。
というわけで総力を挙げて戦う浜西。全員がボールを持つ。前線のナナセさんに回り、ロクにセンタリング。ロクは受ける…ふりのスルーで律たちを出し抜く。ソウシから、今度こそロクに。ロクのシュートが決まり、浜西勝ち越し点!ソウシ、ナナセさん、ロク、主人公トリオの見せ場!つづく。
一コママンガ。
「『はっぱをかける』なんて言葉知ってる!?知らないよね!?私が頭悪いんじゃないよね!?」
「ああ…まあうん…」
(ナナセお前けっこー馬鹿なんだよ…)と言いたいけど言えるはずないソウちゃんw(ソウシは語彙力あるので、確実にそう思ってるw)。彼女が今巻のラストでああいう選択をしたのも、学力で進学する自信ないからでもありまして…w。
19話・ダイゴ、スターダスト
後半の先制点を決めて意気上がる浜西。しかし。
ガスが切れ始め、へたり込むソウシ。彼は潜在能力高いが、常に力を引き出せる選手ではない。でもナナセさんとロクに起こされる。なんとうらやましいw。「全員全力でやろう」と言い出したオレが、真っ先に倒れられないと気力を振り絞る。
一方追塚SC、浜西FCへの考えを改める。正直、格下と侮ってたのを認める。ロク、ナナセと気を付けてた選手はいたが、ここで浜西全体を「強いチーム」と認めた追塚。全力で反転攻勢を始める心構え。守勢に回った経験があまりない浜西、真のピンチはここから。
パスワークで浜西の防御を切り崩す。ロクがパスカットするも、律だって負けてない。追塚エースストライカー、ダイゴが本領を見せはじめる。執念だけで追塚のエースとなった男。かつての自チームが強くなったのを喜ぶが、オレはさらに強くなったと、力を証明したい。そして、同点ゴール!後半残り3分。
同点だが、延長戦を戦う体力、浜西は残してない。絶望が浜西メンバーを襲う。ロクにすらも。だけど諦めなかった男が一人。
「同点にされたらもう一度ッ!点を取り返せばいいだけだろう!」
キャプテン・ヤマトが吼える!そして、誰より早くナナセさんが応えた!(やっぱり彼女が主人公なのでは…w)つづく!
20話・勝利の女神と大和魂
残り3分、最後の攻撃を仕掛けるナナセさん。それに続く浜西一同。ベンチの皆も一丸となる。ナナセさん、ロクとボールが回る。
この回は、まず巨勢コーチの見せ場回。ミトに
「チームでソウシに次ぐ俊足!お前の足が絶対チームの助けになる!」
と言葉を掛けていた。それからカズとのやりとり。
「お前は攻撃も守備もできるオールラウンダーだな!」
「いい風に言わなくたっていいってコーチ ただの器用貧乏だよ」
「なに言ってんだ お前はロクのことそういう風に思うか?」
「いやロクはなんでもできるやつだから…」
「お前もだろ!」
…あまりにいい台詞なので、太字。こんなコーチに育てられたいもんだ。巨勢夫妻は揃って似た道を歩んでるともわかる。
「シュン!言うことねェよ!決めてこい得点王!」
その言葉を胸にヘディングを打つシュンだけど、阻まれる。
そんな中、限界が迫っていたソウシ。敵である律にすら気遣われる。(なぜオレは オレたちはここまでがんばってるのか)と自問する彼。答えはすぐに出た。(ナナセが諦めてないからだ!)ここからがソウシの見どころ。律に、
「おいお前…ナナセ…狙ってんのか…?」
「だったらどうした?」
「渡さねーよ…!あいつがきてからうちは負けなしなんだ…!あいつはうちの勝利の女神だからよ…!」
愛ですな…!この台詞で後に一悶着ある。そしてソウシ、残された全ての力を引き出して立つ。
ナナセさんからパスを貰うソウシ。しかし長谷川に弾かれる。ここで長谷川、非常に重要な台詞を口にする。
「よくやった しかしまだ早い キミたちのようなまだ何も積み重ねてないチームが ぼくたち積み重ねて来たチームに勝つのは まだ早い」
ネットの指摘で気づいたんですが、彼のこれに納得しそうになった人、多いと思う。浜西のように、実績をろくに残せていないチームが、今までトントン拍子に行き過ぎてたのではないか、それこそマンガじゃないのかと、多くの読者が思ってたはずだと。だけど、それへの答えを、我らのキャプテン・ヤマトが返す!(これが「キャプテン同士の問答」なのも憎い!)
「積み重ねならばして来たさ 何度敗北を積み重ねて来たか 何度悔しさを笑ってごまかして来たか もういいだろう もう十分だ ここから僕たちは 勝利を積み重ねる!!!」
ヤマトの波動砲!今まで外れ続けて来たヤマトの必殺技。しかし彼は、外れをこそ、積み重ねてたのだ!チームの勝敗がかかったシュート、波動砲、ゴールに炸裂!決勝点!
一コママンガ。
キャプテンの証、背番号10を背負うヤマト。時代遅れかもしれないが、背中で語る生き様、憧れる。
21話・ジャイアントキリング
「この学年のキャプテンはヤマト お前にやってもらいたいんだがどうかな?」
「僕?禄郎ではなくてですか?」
「うんロクもいい線行ってるけどなオレが推したいのはお前だ」
巨勢コーチの後押しでキャプテンになっていたヤマト。自分の力不足はわかっている。でもだから、いやだからこそ、彼は主将の矜持を持っていた。持たなければならなかったのだ。
「お前は誰より闘志と根性がある!キャプテンに向いてるのはそういう奴さ!」
ついに決勝点を決めたヤマト。長年の積み重ねがようやく実った。巨勢コーチも「ゴラッソ………!!」と心から感動。
「おお お おお おおおお」
勝利の咆"哮"。浜西の皆ヤマトに抱きつく。でもさ、ナナセさん、こういう時はちゃんとヤマトに抱きついてあげなよw。ヤマトも男なんだから嬉しさ3倍は増したろうにw。この時ナナセさんが抱きついてるのはロクとカズ。なんとうらやましいw。
そして3-2で試合終了。ヤマトママも感涙。ヤマトに称賛を浴びせるチームメイト。「キャプテンの役割を果たしただけだ」とクールに決めるヤマト。彼らしい。
追塚の負けを当然悔しがるダイゴ。「浜西も好きだったが、追塚も大好きだ」と語り、元仲間の浜西メンバーに再会とリベンジを誓う。ナナセさんとは接点の少ない彼だけど、ダイゴなら彼女とも仲良くやれそう。
律もまたリベンジを誓う。別れ際ソウシに名前を聞く。「半分だけ覚えといてやる」と上から目線を崩さない律。そして注目。
「『勝利の女神』は一旦預けとくぜ 次奪いに行くまで大事に箱にでもしまっとけよ」
浜西の皆、特にソウシとナナセさんに激震www。赤面するしかないソウシ。冷やかしまくる浜西男子連。一方ナナセさんは憤慨。
「私の話!?ソウちゃん!ねェ!?奪うとか箱にしまうとかなんの話!?私をモノ扱い!?」
ナナセさんの怒りのポイント、一見ズレてるけど、彼女には「女子だからって甘く見られたくない」「対等に接してもらいたい」という自恃があるので、これは正当な怒り方。…キミたちも、女性をモノ扱いしてはいけないよw。
こうして地区王者追塚相手に金星をあげた浜西。しかし終わってなかった。少年サッカーの地区予選、一日の連戦は当たり前。浜西にも次の試合が待ってた。
(追塚との死闘に全てを出し尽くしたオレたちは続く二戦目ウソのように――……)
ハイ、負けませんでしたw。城西FC相手に辛勝。いやー、横田先生、ホント演出上手い。
(二試合目の途中ほとんどベンチだったが 不安は全くなかった 今日ほどこのチームを信頼できると思った日はなかったからだ)
ささやかながら、「自信が確信に変わった」日だと思う。
帰宅するソウシとナナセさん。ナナセママは来てないので、隣んちのソウシママが車で一緒に送る。ロクがナナセさんのこと気にしてると思って、ソウシ、ロクを晩飯に誘うけど、
「変な気つかわなくっていいって ナナセはオレの そうたぶんライバルだ だから…気がねすんなよ」
普通小六男子はこう言えない。この子ホント大人だ。これを受けてソウシはナナセさんに思う。
(やっぱこいつすげえやつなんだな…あのロクにライバルって言わせた)
この台詞で、ソウシがナナセさんに好意を持ってる最大の理由に気づいた。彼は彼女の容姿のかわいさ、性格の男前さ、といった点だけでなく、ナナセさんのサッカー選手として、ソウシを圧倒する才能、そこに惚れ込んでいる。「ナナセと一緒に戦いたい、勝ちたい」気持ちを浜西メンバーの中でも人一倍、持ってる。元々彼は部屋で喋った時から彼女を俺より上だと認めてた。共に戦ううち、その気持ちが膨れ上がった。そして彼女こそ「勝利の女神」だと確信し、誰が相手だろうと手放さないと誓う。
疲れ果てて、車の中で寝るソウシとナナセさん。戦士の休息。驚くべきは二人の寝姿の対比(このこともネットの指摘で気づいた)
口をあんぐりと開け肩を広げ股もおっぴろげて、おまけに上まで向いて豪快に「男子」っぽく寝るソウちゃんに対し、口をすぼめ肩をちょこんと縮め両手を太ももに挟み、更には下を向いておしとやかに「女子」らしく寝るナナセさん。これほど対照的に描けるマンガ家、そうそういない。フィールドではあれほど男前なナナセさんが、そこを降りるとこの淑やかさ、このギャップには仰天し、萌えた。横田卓馬、ここまで非凡なのかと驚いたのをよく覚えてる。出典・集英社刊、「シューダン!」3巻、(C)Takuma Yokota 2018
一コマ。
【スペシャル全部のせカレーゆで卵つきおかわり無限】
色気より食い気なナナセさんその1。展開からも、二人ともこの夜のカレーは大変旨かったろうとわかる。存分に味わえ。
そして次話の冒頭、驚くと同時に…ショックを受けてしまった。
22話・最後の年の最初の日の出
豚汁をすするナナセさん。色気より食い気なナナセさんその2。ん?豚汁?季節感がおかしいぞ?え、えええっ!?正月の初蹴り?
このシーンで、「ああ、浜西は途中で敗退してしまったんだな」とわかってしまいましたし(全国優勝できないとは、見当ついてましたが)、またこのタイミングで敗退が示されて、「ああ、このマンガ、もうすぐ終わってしまうんだ!」と落胆してしまった。ショックでしたわ~!
それはさておき、草むしりの回で存在が語られてた「初蹴り」、ナナセさんとロクは初参加。二人とも嬉しそうでよかった。初日の出より豚汁に夢中なナナセさんが彼女らしい。
ここでロクパパ登場。両角家は父子家庭で、父、姉、ロクの三人家族。今まで浜西選手の面倒を見てこなかったのを他の親御さんに詫びる。なぜ参加してなかったかと、息子に「来る必要はない」と言われて単純に信じてたらしい。ボケキャラ?w
ナナセママも登場。両角家が父子家庭なの、母子家庭である七瀬家との対比?ナナセママは娘のことわかってなかったかもと反省している。「この子こんなに楽しそうにサッカーやるんだ」と。
省略された大会の過程が説明される。追塚を破った浜西、勢いを駆って予選リーグ一位突破。決勝リーグでは西美薗とも再戦するが、苦戦しつつ勝利。県大会へ進出。ここまではトントン拍子で、ソウシ達いい気になってたでしょう。だけどそこまで。静岡県大会一回戦で、浜西FC、敗北。
悔しく、無念に決まってる浜西イレブン。シュン、ミト、ヨウタは泣いている。主人公トリオは立派なもので、泣いてない。誇り高い。ここで巨勢コーチ、「挑戦の価値」を皆に説く。
巨勢コーチの言ったこと、詳しくは書きません。単行本読んで下さい。しかし私、最初ジャンプでここ読んだとき、とんでもない勘違いしてまして、それは恥ずかしながら、
「横田先生には敗北者の気持ちがわからないのかな?」
という、我ながら呆れ果てる、トンチンカンなモノでした。これがどれほど的外れかは、このシューダンというマンガ自体が「競争に敗れた作品」であることでも明白なはずでした。言い訳は致しますまい。いないと思いますが、このエントリに、もし同じ勘違いをしてる読者がいたら、考え直した方がいいと忠告しておきます。
「オレは中学生になってもサッカーを続ける」と語るカズ。ヤス、シュン、ハルヨシ、ミトも同意する。ハルヨシはコーチが言った「挑戦」についても語る。ここでシュンが、「ロクとヤマト以外全員同じ中学?」と気づく。
「オレたちとロクヤマトが戦うのか」と色めき立つみんな。だけどロクにはプロのジュニアユースチームから声がかかってた。土地柄からして、エスパルス?トレセンに受かってたのは、結局ロクだけ…とソウシは思ってたけど。ロクはサッカーを続けるか、父の医者を継ぐか、迷っている。だからどちらにも「本気で挑む」と決めている。なんと偉い子だ。
カズはもう一つ気にする。「ナナセはどうなんの?」と。少年団ならともかく、中学で男女混合なんて聞いたことない。ヨウタが調べていたが、中学でも男女混合はルール上問題ない。だけど人数希少なので、ほとんどの女子は中学でサッカーをやめてしまう。
そこに、「なんの問題もない」と断言するソウシ。「ナナセはサッカーのためならなんでもするやつだ 人数が少ないとか そんなことでこのサッカーバカがやめるものか」と、ナナセの言葉を先取りする。
ソウちゃんの先取りは当たってて、「どんな状況だろうと 私にサッカーをやめる選択肢はないよ これから先もずっとサッカーやっていたい」と力強く言い切るナナセさん。「さすがだ」と評するミト。「中学に女子のサッカー部作ってしまえ」と背中を押すシュン。「ナナセはマンガの主人公のようだ」と評するヤス。そんな中、ナナセさんが寂しそうな表情をしてると気づくソウシ。その時は意味がわからなかったが、それは「親愛なる戦友たちへの惜別の念」だった。
時は経ち、三月。「あっという間に時は過ぎる」という表現には疑問を感じる。小六の子たちにとって、時とは長いものと思う。まあそれはともかく、中学の学ランを着せられてるソウシ。恥ずかしいので、ソウシ脱ぎたがるが、ソウシママが許さない。意味がわからない彼だけど、この後すぐにわかる。
来客。「脱がずにそのまま出なさい」とママが言う。ドアを開けると、中学の制服を着たナナセさんが…。
…ギャ、ギャ、ギャ、ギャアアアァァァーーース!制服ナナセさん、かわい過ぎるーーーっっっ!!!なんなのですかこの娘は!私をどれだけ虜にすれば気が済むヒロインなのですかーっ!!!!!(別にお前を虜にしているワケではない!wwwww)ソウシが見惚れるのは当たり前だ!
嬉しかったんだけど、ガクガクブルブルの展開でもあった。だってこれ、次週最終話の臭いプンプンするじゃん?ジャンプの予告で「次回センターカラー」とあったので、「こ、これはマジで、来週おしまいを覚悟しなければならない?」と心の底から震え上がった。結局誤解だったんですが、この回が載った後の一週間、生きた心地がしませんでした。このことで、シューダンが私にとってとんでもなく大きいマンガになってたと気づいて、驚いた。
一コママンガ。
【待望の具だくさん豚汁おかわり無限】
色気より食い気なナナセさんその3。皆と一緒にめし食うの特に楽しい年頃ですよね…。
23話・さらば青葉の日々
このサブタイ、ちょっと松本零士御大っぽい。
扉絵、ジャンプではカラーでした。制服ナナセさんと記念写真撮る制服ソウシ。なんとうらやましいw。俺と代われソウシww。
この写真撮らせるために息子に制服着させたソウシママ。ナナセさんの姿見て、ソウシは彼女が家へ来た理由を察した。「それオレらの行く中学の制服じゃないだろ 違う中学行くんだろ?」
ナナセさん語る。ソウシ、ロク、ナナセさんが行ったトレセン。実はナナセさんも目をつけられてて、県下最大の女子サッカー部がある中高一貫女子校に誘われたと。なでしこで有名になったとはいえ女子サッカーはまだまだ厳しい(それは筆者自身、個人的に新聞で読んだが、相当冷遇されてる世界らしい)。しかし藤枝は県外からもサッカー目当てに女子が入学するレベルの名門。それはナナセさんにとってまたとないチャンスだった。
「マジか寮生活!?中学生から!?はぁーすげェ想像も出来ねえわ…!」(こいつは…やっぱり…)
ナナセさんに敬意を、心から払うソウシ。私も彼女はすごいと思う。なにがって、ナナセさんがソウシに別れを告げるの、この話を聞くまではてっきり、「私はもうキミたちに敵わなくなるから」という理由だと思ってたんですが(常識で考えて、中学から女子は男子に、単純な筋力では、勝てなくなる)、そんな後ろ向きなこと全然考えてなくて、「女子選手として高みを目指したい」なるとんでもなく前向きな理由だった。これには敬服した。ナナセさんは私の想像を軽く超える、キャラクターだった。
更に語るナナセさん。昔から男女混合でやってたので、それに疑問持ってなかった彼女。でも転校して不安になった。「私は受け入れられないかも」と。
「でも 浜西FCの皆は…」
多くを語らないけど、彼女のみんなに対する深い感謝がひしひしと伝わる。
「中学までみんなと一緒にやるの いいなと思ってた でも その先は?」
ちゃんと先のこと考えられるの偉いし、そのためなら仲間も、好きな人もあえて振り捨てられる。な、なんて凄い子だ。書いてて泣けてきた。
「薄情かな?私って」
「いや 気持ちわかるし 合理的なのが気に入ったね 安心しろそれがベストだ」
躊躇わず背中を押せるソウシもまた偉い。
「はーッよかった!」
いつぞやの様にソウシのベッドに寝転んでしまうナナセさん。あまりにも無邪気で無防備過ぎるよ…w。
「おい!スカート!」
ナナセさんのパンツを拝める絶好のチャンスに、目をそらし、手で目線をさえぎり、注意すらする(しかも「おい!パンツ!」ではなく「スカート!」なのだ!w)、ソウちゃんマジゼントルメンw。これでハッキリしたが、桜田創始最大の魅力は、横田先生前作の主人公、土屋雅春くんと同じく、「人のよさ」だとわかった。ここまで人間が出来た小六男子、そうそういない。
「こんなこと絶対ないってわかってるけど みんなには一緒に来てほしいし 女子校だけど男女混合のサッカー部を立ち上げてほしいし!うん!無理なの!だからお別れ…!」
本当は今にも泣きたいほど悲しいの、表情でわかる。でも一切涙を見せない。なんと、なんという強い子だ。このエピソードは本当に感動してる。ナナセさんも、横田先生も、見事という他ない。だけどこの話、まだ終わってない!
【颯爽と現れた彼女は 六年生最後の日に また颯爽と去っていく】
一番好きな人への別れを済ませ、浜西の皆に別れを告げるナナセさん。残念じゃない奴、ナナセさん自身含めて、一人もいるわけない。ヤスなんか結構あわてる。ロクとヤマトは納得した顔で送り出す。流石エース。流石キャプテン。
みんなと握手を交わすナナセさん。ここでロク、ナナセさんを軽くハグ!スマート野郎の本領発揮。常にソウシの先を行く男(え)。ナナセさん、これには照れる。それ見たヤスは期待に違わず、ソウシを冷やかすw。改めてソウシとナナセさん、手を握る。
小学校卒業式。同じ学校は、ソウシ、ナナセさん、ヤス、鴨志田、渥美。女友達とも別れを交わすナナセさん。ソウシ達と並ぶ鴨志田、最後まで彼は彼だった。もちろん来てたソウシ、ナナセ、ヤスのお母さん。ソウシとヤスを侍らせ、「両手に蜜蜂」なナナセさん。ヤス俺と代われw。そして…。
ソウシとの別れの日。家は隣同士のままだけど、ナナセさんは寮生活を始める。そう簡単に会えなくなる。ソウシの別れの言葉。
「最後に言っとくな ナナセのおかげでサッカー楽しかった…!サッカー好きだわオレ…!多分これからもサッカー続けるけど お前も向こうでがんばれよ…!離れててもサッカーやってりゃ…仲間だからな…!」
感極まってるナナセさん。だけど彼女なんとか堪えた。手に持っていたボールを思わず投げ渡し、「またね!ソウちゃん!」と、笑いながら、車に乗り込んだ。
ボールを渡したこと、お母さんに謝る彼女。中学生になったらどうせボールは買い替えなきゃいけないから、よかったんだ、と指摘するナナセママ、お母さんもそういうことに気がつくようになった。母も娘の好きなものを勉強した。そして、七瀬母、「私はまた…晶を…友達から引き離すようなことを…」と、さっきの別れを見て感じてた。だけどナナセさん、それをキッパリと否定する。
「お母さん…私…そんな風に思ったこと一度もないよ…それに…さっきソウちゃんが教えてくれたんだ… サッカーやってれば…っ仲間だからって…!」
涙。あれほど強く誇り高かった、ナナセさんが、涙。追塚に勝った時も、県大会で敗れた時も、好きな人と別れる時でさえ、流さなかった涙を、ついに。想い人の前でも、戦友たちの前でも見せなかった涙を、お母さんの前でだけ見せる。リアリティある。
この話での、ナナセさんの強さには感動した。そして、「サッカーやってりゃ仲間だ」は、彼女の人生において、重い言葉となった。ソウシの「またな…ナナセ…!」で、小学生編完結。次巻からは…。おおっと、ネタバレ自重。
4巻で、最終巻。次から始まる話で、最終章です。
私なりに、ナナセさんの心中を察すると、彼女は仲間や好きな人の心の中で「強くてカッコいい女子 ナナセ」でありたかったんだと思う。特にソウシの前では死んでも泣きたくなかった。だから彼の前では懸命に我慢した。「ここで泣いたら全部台無しになる!」と思い込んで。それほど、ソウちゃんのことが、大好きだった。でも、もういいんだよ…。思いっ切り、泣け…。
次巻のネタバレは控えますが、小学生編が終わった時点で、多分連載終了は決まってて、なので小学校卒業でこの物語を、キレイに終わらせること、可能だったはず。でも横田先生、それをよしとしなかった。そして最終章があったからこそ、私にとって、シューダンは、ここまでよりさらに魅力的な作品になった。あれがなければ、これほど評価してなかった。同じく思う人がいること願って、文を…。おおっと、まだ番外編の感想残ってるよ!w
番外編・ある夏の一日
8月の夏休み。学校もそうですが、サッカー少年団も、ひとまずお休み。
…なのですけど、ソウシはナナセさんの練習に無理矢理付き合わされてる。なんとうらやましいw。
「サッカー漬けで飽きねェなお前」と声をかけるソウシ。「飽きないねェ」とちっとも悪びれぬナナセさんw。ソウシ、「宿題はちゃんとやってんのか?」と。ナナセさんに限って、そんなわけないだろw。と、ソウシお前もかいw。ま、小学生などそんなもの。
「暑いよなひと泳ぎしたいぜ」と彼。「学校でプール開いてるよ行ってくれば?」と彼女。ここで皆さん、期待するよね?wしかし、期待を裏切るだろうと、思っちゃったんですがwww、まさか、期待以上の代物が拝めるなどと、思っても見なかったwwwww。
静岡の奥の川に、いいスポットがあると語るソウシ。毎年、ヤスの家族とバーベキュー食うのだと。
「BBQ…!」
色気より食い気なナナセさんその4。…って、いくらなんでもこの子、食い意地張り過ぎじゃね?w小六とはそうしたものですけど…ww。
その話に是非乗りたいナナセさん。私んちもついてっていいかと聞く。ソウシ母親に聞くと、
「えっ今年は行かないわよBBQ ヤスくんち家族で沖縄旅行 行ってるんですって」
SNSでヤスの様子確認し、つい、ヤスを呪うwソウちゃんですけど、この後の展開を考えると、ソウシはヤスに末代まで(言い過ぎw)感謝しなければならないw。
諦め切れないソウシ、自転車で一人ででも、川まで行く大冒険に挑むのを決意する。この話に乗らない…我らのナナセさんだと思うか?w
「自転車で行くの…?遠いんだよね…?」「遠い」「道はわかるの…?」「スマホがある」
なんというスガスガしいノープラン!wおっそろしく男らしい無責任ww。だがこの無謀極まりない冒険に、ナナセさん乗った。彼女も子供だからwww。
「気をつけてねー」「ホントにホントに気をつけて――!」両ママの心配が痛々しいw。この年頃の子が、そんな注意、真面目に聞くワケないんですがw、私もいい年なので、お母さんたちの懸念はよくわかるw。
川へ向かうソウシとナナセさん。「なんかソウちゃんサッカーの時より張り切ってない?」当たり前だ!とソウシも言いたかったろうけど、我慢w。
どんどん山奥へ向かう二人。途中川岸があって、ここがそうじゃないのか、と聞くナナセさんですが、「こんなところで妥協するな もっと面白い所が待ってる!」いつもからは想像だに出来んリーダーシップだ!w張り切っとるなー!ww
ずーッと同じような景色が続き、(間違えてねーか?)と内心焦る彼。ナナセさんの「雲が…大きい…」ささやかだけど、リアリティ高める描写。そしてやっと…着いたー!ああっ、ソウシ、お前そのまま短パンで泳ぐのか!小学生そのものの行動!そしてナナセさん…ああっ、キミはシャツとショートパンツの下に水着、着てた!これも全くの小学生!(もちろん、二人とも、替えの下着など、用意してない!w)
…ギャ、ギャ、ギャ、ギャアアアァァァーーース!水着ナナセさん、そしてナナセさんのぷりっとしたおしり、かわい過ぎるーーーっっっ!!!なんなのですかこの娘は!私はもーどーしたらいーのですかーっ!!!!!(どうもしなくていい!wwwww)
しかもこの川が、恐ろしいリアリティで、私自身、母の友達が住む、神奈川の山奥の川によく遊びに行ったの、実際に思い出せて、いやいや、横田先生、嘘ついてない!素晴らしい!また川の中のおしりもかわい過ぎるのです!(言ってることがまるっきりHENTAIだ?それ、横田先生に言って!責任転嫁か!www)
で、川岸でめしを食う二人。え?ナナセさん、まためし?w食い気これで5度目だよww。ホント食うの好きなんだなあ…www(母に言わせると、小六の頃は女子の方が食い意地張ってるのだそうです。背丈も女子が上ですからね、この頃)。
自転車なので早目に帰るソウシとナナセさん。ここでわかるのは、ナナセさん、もちろんビキニではなくw、まして萌えマンガによくあるスク水でもなくww、競泳水着を着てること。普段から体動かすの、好きなんでしょうね。
夏なので雨に降られてしまう二人。これも日本の夏なら全く普通。二人ともずぶ濡れなので全然気にしてない。そこも小学生の所業。ここでナナセさん、雨にまぎれて、普段の彼女からは想像もつかない、ズルいことをする。
「ソウちゃんといると 楽しいよ…!」
こんな大事な発言、雨で隠してごまかすなんて!彼女にもこういう狡いところあると、安心しましたが、これはフィクションですよねーw。
帰途のソウシとナナセさん。ソウシ、スマホのバッテリー切らすとのヘマやらかしますが、その土地はユウキ、カズ、ミトの地元だった。帰り道わかって、よかったよかった、帰れる…一件落着。そうでなかったら、どうするつもりだったんだろ、こいつらw。ユウキたちも驚いたに違いない。
そして今日はサッカーしないですむ…と油断してたソウちゃん、夜に付き合わされたw。文句垂れてるソウシだけど、お前、同い年の女子にこれだけ相手されてるの、感謝しろよ、この果報者め!俺と代われ!w私がソウシと同じ年頃だったら、全くありがたみに気付かない自信、あるけどw。
番外編のテーマ、ナナセさんはかわいい…じゃなくてw、「少年少女には冒険が必要」ということ。大人の目線だと心配しかしないけど、子供は絶対にこういう経験しないと駄目です。つーか、こんな無謀なこと、大人になると出来なくなる。考えが及ぶようになる、って事だけじゃなくて、体がついて行かなくなるんだよねw。何度でも書くけど、若いっていいなあ。
か…書き終えたああっ!書いてみて驚いたけど、私ってナナセさんのこと、こんなに好きだったのかよ!wwwシューダンという作品もww。フィクション作品とそのキャラクターとはいえ、これほど愛せる対象持ってる私は幸せですw。おやすみ。
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