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2018年6月23日 (土曜日)

「レディ・プレイヤー1」感想(ネタバレ)。映画界の"キング"はなんてモノを撮ってくれたのだ!MMO、VR好きならハマらないはずないではないか!w

 タイトルの通り、スクエニMMOにハマり、PSVRも大好きな私にはたまらん映画です。スピルバーグ映画を劇場で観るの、「シンドラーのリスト」以来ですが、いやはや御見それしました。公式サイト公式ツイッター。参考に、スピルバーグ映画「ミュンヘン」感想

 VRやネトゲと言った、ゲーム文化の中でも割と若い(原点を辿ればどちらも相当の歴史です)ジャンルが、モチーフとなってるので、若い人向けに見せかけてますけど、純然たる中年向け映画ですw。
 メカゴジラ、ガンダム(しかも、1stと思わせてΖΖw)、カウボーイビバップなどなど、30代以上のオタのツボ突きまくり。一方若い人は全力で置いて行っているw。今どき「金田のバイク」にときめく若オタがいるワケないだろw。つか、40歳の私すらかなり置いて行かれてるw。
 事前に読んだ評価では「日本のポップカルチャーリスペクトかな?」と思いましたが、蓋開けてみるとそうでもなく、アメリカ、イギリスのオタ文化のネタもたっぷりと盛り込んでます。「これ、日本人にはほとんどわからんな」ってネタも結構。特にリアタイでピンとくる人は希少。でもアメリカ映画として見れば正解。
 むしろ、米のオタク文化とデジタルカルチャーの総決算をやろうとしたのかな、と思いました。「オアシス(舞台となるVRネトゲ)」の開発者二人、ゲイツとジョブズにしか見えなかったw(この映画陰のメインストーリーは、仲違いした開発者コンビの友情物語)。個人的考えとしてオタク文化の本場はアメリカであり、全ての原点はディズニーと思ってますが、それは間違ってないなとの印象受けました。

 主人公はリアルでは冴えない、ゲームではイケメンのオタク男子です。そんな奴がゲーム内最難関のエンドコンテンツ(映画では「イースター・エッグ」と呼んでますがゲーマーとしては定義に違和感あり)のヒントを容易く読み解き、真っ先にクリアしてしまうとは、ゲームとしてリアリティ欠片もないw。
 またヒロインがアバターカッコかわいく、しかし「実際に会ったら幻滅する(これはネット友人やネトゲ友人を持つ人なら、必ず持つ感情)」と言わせときながら、リアルの彼女も美少女であり、最後主人公とカレカノになる(え、それ、どこの国のラノベ?wwwww)のは、ご都合主義極まれりですw。スピルバーグさん、もう少し地味な娘として描いてあげなよ…。世のオタ女子絶望するでしょうが…(-_-;)。
 まあこういう話、おっさんは結構好きだったりするのですがw。
 主人公の親友キャラが、正体アフリカ系の女性だった(ゲーム内では大男)のはいいのですが、リアルの彼女を見てもすぐに女性とわからなかった筆者自身が軽く自己嫌悪orz。だけど仕方ないじゃないですか?異人種の性別や年齢ってわかりにくいですし。だいたい仲間キャラに日本人と中国人がいるのですが、スピルバーグさん、日中の区別がついていませんw。とっても適当。でも我々日本人も、「イギリス人とフランス人とドイツ人の区別ぐらいちゃんとつけろ」と言われたら反論出来ないのでおあいこですw。

 むしろ面白かったのは、敵役であるソレントですね。彼はオアシスの運営権を買収しようとしてる企業の社長であり、イースターエッグの報酬も狙ってますが、これがネトゲで問題とされてるリアルマネートレード(キャラやゲーム内のお金、アカウントなどを現実のお金で取引する行為。ルール違反なんですが、日本においては違法とされてない)などのブラックな業者を思わせて、微妙なリアリティありますw。また彼は一貫して悪役とされてますが、スピルバーグらしく、ちょっとどころかメチャクチャ間抜けであり(IT企業の社長が、うっかりパスワード盗み見されるなんてミスするかよ!w)、憎み切れない敵です。彼が辿った末路も、それ程残酷ではなくヌルくて、スピルバーグらしい良心です(これがキャメロンだったら殺されてるw)。

 それにしてもオアシスはMMOやMORPGを嗜み(ヌルユーザーもいいところですがw)、PSVRにハマりまくってる私にとって夢のゲームです!この理想、実際に実現するの現在ではやはり不可能みたいなんですが、映画の舞台は2045年(人工知能問題の年なの、意図してると思う)なのでそのくらいのハードルはクリアーされてるかもしれません。
 視聴覚のみならず、嗅覚、触覚もリアルに体感でき、更にはエッチな感覚も体験されること、わずかに描写されてますが、そこは良い子のスピルバーグ(笑)、ぼかしています。ただどうやら味覚はまだ無理のようで、ましてお腹を満たすのは不可能だとハッキリ語られます。ここも微妙にVRのリアリティがあります。
 ただ映画では現実世界が荒廃していて、なのでバーチャルの世界へみんな逃げ込む、という世界観ですが、それはリアリティありません。娯楽とは経済が豊かで、享受される国が平和だからこそ成り立つので、リアルが荒廃しててはVRネトゲもクソもありませんw。こういうところもスピルバーグらしいリアリティの割り切り、なんですよねw。

 でもスピルバーグさん、「バーチャルだけでなく、リアルも楽しもう」ってメッセージ、それ、言う?w「やはりバーチャルよりリアルがいい」や「いやいや、現実より仮想の方がマシだ」と、どっちも言わなかったのは、良かったんですが、ゲーマーとしては冷めてしまうオチでしたw(第一、彼女とイチャイチャされながらそんなコト言われましても…www)。
 ただ、御年71になる彼が、こんな映画撮ったの、「わっかいなあ!」がこの作品最大の印象です。父と一緒に観たんですが、監督より若いはずの親父が面食らいまくってましたw。
 それに彼が今作の様なエンタメ路線と、「ミュンヘン」「リンカーン」の様なシリアス路線を使い分けてるの、とてつもない才能で、例えば手塚治虫大先生は子供向けエンタメマンガを描けなくなっちゃったので、大人向けシリアス路線に"逃げた"のであり(神をも恐れぬことをw)、宮崎駿監督は一つの路線でエンタメもシリアスもどっちもやりたいと欲張ってるので、ああいう中途半端な作風になってる。
 それらに比べるとスピルバーグさんの才能は手塚さんや宮崎さん以上であり、映画界の"キング"の凄味を思い知りました。…これまた大それたこと言っちゃいますが、ルーカスやキャメロンなどまるで敵わない。

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