「アリータ:バトル・エンジェル」感想(ネタバレ)。日本マンガのハリウッド映画化で最高の成功例!某埼玉映画なんかに負けてはいけません!w
原作マンガ「銃夢(ガンム)」のファンを30年(!)近く続けた読者として、大満足の映画でした。原作者の木城ゆきと先生も本気で喜んでおられるの、伝わります。心してレビュー書きます。
アリータ、公式サイト。公式ツイッター。公式フェイスブック。公式インスタグラム。20世紀フォックス映画YouTubeチャンネル。
原作者、木城ゆきと先生公式サイト。木城先生YouTubeチャンネル。原作掲載誌、イブニング編集部による、銃夢火星戦記公式ツイッター。
映画化の背景・経緯
日本がSF冬の時代、と言われて何年経つかわからない程(苦笑)、SFが廃れて久しいこの国、マンガでもそうだった30年前、木城先生がよりによってw宇宙モノSF「気怪」でマンガ界に殴り込みかけ、デビューしたのが全ての始まりです。
それから作品を描きまくり、版元とも色々あって、そしてビジネスジャンプで「銃夢」がヒットした。もう旧時代の遺物になったwメディアミックスが流行っていて、OVA化、ゲーム化、ノベライズが為された。そのOVAを、当時既にハリウッドの巨匠だったジェムーズ・キャメロンが見初めた、そこから映画化のプロジェクトが始まりました。
ところがキャメロンさん、自分からオファーしたくせにw、「タイタニック」や「アバター」にかまけて全然話進まず、それでもコツコツ脚本は書いてくれてましたが、マズいことにw、アバターが映画の歴史で最大のヒットを飛ばしてしまったので、続編作らざるを得なくなり、監督を断念。自身はプロデュース・脚本を務め、監督をロバート・ロドリゲスさんに任せた。それでやっと、動きました。
正直、「キャメロンが監督から降りた」と聞いてガッカリしました。ジェームズは特別な監督の1人だったので。また動画で公開されたトレーラー第一弾も、不安になりました。今でも言われる、アリータの目のデカさが。本音では、「大丈夫か!?」と思っていました。
だけど、蓋を開けると、全然問題なく、むしろ期待を遥かに超える大名作でした。キャラ紹介で書きますが、アリータの目は、アレで正解でした。キャメロンさんが監督してたら、これ程の傑作になってなかった。ロドリゲス監督!甘く見ててすみませんでした!ありがとうございました!
アメリカ映画の写真をブログで扱うの、初めてなのでちょっとドキドキ(弁護士の友人がいるので、そゆ事に敏感)。幸い権利表記がめんどくないので助かります。最近の米映画って、そうなの?w
(C)2018 Twentieth Century Fox
本題へ入る前に。
4D映画の醍醐味
劇場行って初めて、「ただの3Dではなく4Dだ」と知り、チケットの高さに驚いた。でも4D映画を楽しむいい機会と考え、大枚はたいた。
正直、「演出がシーンとマッチしてない」「演出過剰」と思った。しかし私、遊園地のアトラクションなどにほとんど乗ったことないから、座席の振動、水飛沫、風、スモーク、どれも新鮮でした!発展途上の技術と思え、演出の問題はノウハウ積んで、洗練されればずっとよくなるはずと、可能性感じました。あれに1000円余計に払う価値あるかと言われれば微妙ですけどw、私は投資を惜しまない消費者だから、OKです!監督始め映画業界の皆さん!がんばって!(でももう、3D上映すらどんどん終わってるらしいですね…(´;ω;`)。世の中、あくせくし過ぎ)
以下ネタバレ。キャラクターで語ります。原作と名前が違うキャラ、かなりいるので(主人公からして)、括弧で注を付けます。
アリータ(原作ではガリィ。なんですが、本名は陽子。ちとややこしいw)
本編主人公にして、ヒロイン。
原作でのガリィは、男前で、サバサバしたヒロイン。木城先生、彼女をあまり「女性」と意識して描いてないそうで、銃夢にはセクシーな要素がそれほどありません。
で、アリータはどうかというと、これがガリィよりずーっとかわいかったのです♡。
そもそも「アリータ」という名前、原作のとあるエピソードで付けられた仮の名で、男っぽい名前である「ガリィ」に対し、それを忘れさせるために女の子っぽい「アリタ」をある人物が付けた。それが元となってます。
実は銃夢が海外進出する際、「ガリィ」の響きが英語としてあまり良くなく、そこで代案で付けられたのがその話の「アリタ」。だから、「銃夢」英語版のタイトルは「バトルエンジェル・アリタ」なのです。
私、映画のタイトル正式決定したら、「え?『アリタ』じゃなく、『アリータ』なの?」と、またしても不安を覚えてしまった。でも観てみたら、字を伸ばしたの、これも純然たる正解でした。ていうか今回の映画化、私がハリウッド映画を、如何にわかってなかったかを自覚してしまって、反省至極です。他人にこんなこと言わなくてホントーによかった。ロドリゲス監督、キャメロンさん、すみません(ウィキで読んだ「キャメロン作品は頭文字が『T』と『A』ばっかだ」ってトリビアは「へぇ」だったw)。
で、アリータの人物評。まず誰もが気になる、目のデカさ。これがとってもかわいく、原作にない魅力を引き立てています。
あの目には、イドやヒューゴなど周囲にいる生身の人間に対し、アリータが「サイボーグ」であると示すためのモノ。それから彼女が実写映画の登場人物ではなく、「マンガ」の「キャラ」だとの表現。日本マンガの目には「内面を映す窓」としての役割、あること多いですが、それも意図されている。実際原作同様、目に意思の強さが感じられる。様々な深謀遠慮に基づかれたデザインで、いやはや恐れ入りました。
それから今回のストーリーの軸、ヒューゴとのラブラブw。原作でもユーゴとは初恋のいい仲だったんですけど、まさかこんなに甘酸っぱいラブコメwに仕上げて来るとは。ご安心ください、そういうの大好物ですw。
ラブストーリーなので、当然アリータのかわいさも際立ってる。というかロドリゲス監督、「Kawaii」を非常にわかっておられるとしか思えませんw。この辺は、ヒューゴも絡む要素だから、「ヒューゴ」の項で。
あと、個人的にグッと来たのが、アリータが全裸になるシーン、何度かあったことw。サイボーグなのでそれほどエロくはない…。と油断してたら、原作よりずっと色っぽく、萌えてしまったw。自分でも中学生かよと呆れてしまいましたw。銃夢って性を追求したマンガでないからむしろ、たまに醸し出るエロスがスゴく萌えるんですけど、ロドリゲス監督はそれもセンシティブに、わかってる。原作同様、露骨では全然ないし。アリータという人物への愛が伝わります。
彼女について語るなら、バトルも触れないと。アリータが使う武術「パンツァークンスト(機甲術)」は、原作の設定ではブルース・リーが興した武術、「ジークンドー(截拳道)」が宇宙時代のサイボーグ用として進化した武道、なんです。映画の描写では、割と截拳道に忠実と思いました。欧米人が作ってるので、限界はありますが、過度なアメリカナイズはされてなく、「格闘技」ではなく「武道」になってたと。ただの恋する乙女でなく、闘争心満々な娘なのも、原作に則ってる。
それと、私は字幕派ですが、年末年始にテレビの洋画を観まくって、「吹き替えもいいな」と思い始めました。元々ゲーム・アニメオタクなので声優は好きですし。
で、アリータの吹き替え担当、上白石さんのボイスがまたかわいく、アリータの魅力を底上げしてました。イド役の森川さんもいいパパw、ヒューゴの島崎さんも若々しく、声優力が作品に貢献してます。吹き替え版を観るの、おススメします(でも出来れば、字幕版と両方観るのが、ベストですよねーw)。
ただ細かいことですが、「ドイツ語」要素(「パンツァークンスト」など)があまりないのは残念。木城先生、和独・独和辞典片手にして、一所懸命書いてるのに。
目の下の隈取り(血でやったのは意表突かれた)、長過ぎず短過ぎない黒髪、などの外してはいけないデザインコンセプト、貫かれ、「ガリィ」への愛を踏まえて「アリータ」が造形されてるの、わかります。素晴らしいキャラクターに仕上げてくれました(エントリの仕上げに、公式ツイッターチェックしたら、キズナアイとコラボした理由、なんとなくわかったwww)。
ダイソン・イド(イド・ダイスケ)
原作者のサイトのBBSで、「『ダイソン』とは『ターミネーター』シリーズと関連付ける意図があるのではないか」と読んだ方いました。鋭い読みですw。
ザレムのゴミ捨て場であるクズ鉄山から、名もわからぬ少女(「陽子」)を発掘し、名前と躰を与えた人物なのは、原作と同じ。実質アリータの「パパ」なのも、原作準拠。
つーかイド、原作より年かさの男性に設定されてて、バツイチで娘を亡くした過去もあるから、「父親」度が更に上がってますw。過保護さは、原作以上にも思えるww。
触れたとおり、かつて妻子持ちだった設定変更が、上手くてキャラに深みを与えてます。原作で掘り出した「陽子(この名は、映画で明かされてない)」に付けた名、「ガリィ」は死んだ飼い猫(雄猫)の名前でしたけど、「アリータ」は、喪った娘の名。最初にアリータへ与えるボディが、亡くした娘のモノだったのも、いい改変で、アリータも「私は娘の代わりでしかないの?」とイドに疑念持つ、これもいい。
実際、イドにとってアリータは娘の代わりでしかない存在でしたが、最後には、娘同然、いや、それ以上の存在として、アリータを想います。
イドの額にザレム人のマークがないの、「ザレム人設定はなくなった?」思たら、「自分で切除した」と言ったのは驚いた。チレンの額にはある。このマークがどういう意味もつか、映画しか観てない人は知らない方が幸福です、続編お待ちくださいw(明かしてしまいますが、エンディングがどう見ても「続編ありき」の終わり方でしたw)。
イド役のクリストフさんも、伊達にアカデミー賞2度取ってないぜ、な名演でした。
チレン
イドの元妻。元々はOVAのキャラ。アニメは未見。
チレンは最初、「もう娘は戻らないの」とイドを諭すんですが、その裏にあるの、再び愛せる存在を見つけたイドへの二重の嫉妬に基づいてるのは明白で、だからイドからアリータを奪おうと、ベクター、ノヴァ、グリシュカと組んで、策謀を巡らせます。
しかし流石はイドの嫁w、アリータへ徐々に情が移ってしまう。またアリータの愛がイドではなく、ヒューゴにあるのも知って、ヒューゴを助命するための助言をし、最期は計画から降りて、グリシュカに殺されてしまう。また彼女もイドと同じ、ザレム人です。
個人的に、刺さらなかったキャラ。イドに妻子がかつていたのは、重要。
ヒューゴ(ユーゴ)
原作よりショタ度が下がってるのw残念でしたが、そんな細かい不満はどうでもよろしいw。
とにかくアリータとのラブラブが甘々過ぎますw。原作ではここまでじゃなかった。銃夢で恋愛はそれほど重要な要素ではない。でも大衆向けのハリウッド映画として、それを前面に推し出したのは正解と思う。
兄の夢だった「気球でザレムに行く」思い出が、兄貴ごと削除されてたのは残念(義姉との関係も、深かったんだけど)。でも、ものスゴくエピソード詰め込みすぎなこの映画で、限界は大きかったのでしょう。むしろよくぞここまで詰め込んでくれたと。
銃夢で先に好意を抱き、積極的にアプローチするのはむしろガリィの方。愛の告白もキスも、ガリィから仕掛けます。それが逆になってたのは、個人的にかなりのマイナスポイントです。夢追人だったユーゴが、もう少し現実的なヒューゴに変わってたのが理由?まあ、恋愛で受け身なアリータの方が、かわいいから許せるがw。
「よくぞやってくれた!」なプラス点。「ラストで、ザレムのチューブから転落して死ぬ、しかもアリータの手を放して」なのが、銃夢をないがしろにしてない、なによりの証明で、最高でした。落ちる際、「君に救われた、ありがとう」なのが、原作にない台詞ながら、むしろ銃夢の精神をより強化した内容で、脚本のキャメロンはホントわかってます。
ベクター
「純然たる悪役」にされたの、不満ではある。
原作では、必ずしも極悪人でなく、現実的な考えで動く、クズ鉄町のリーダー。原作では今、ケイオス(映画未登場キャラ。続編お楽しみにw)に次ぐ地上世界のサブリーダーになってて、地球の利権の為、ザレム、そして宇宙世界と交渉してる最中。味のあるバイプレーヤー。
映画では黒幕的扱いの、ノヴァの傀儡となってる。元々利権の為に殺人も厭わず(直接、間接共に)、人を利用するのも躊躇わない人でしたけど、今作、「自分の為にやっている」感があまりなく、ノヴァに尽くしている。そこもなんだかな。
ザパン
最初から言っとく。続編があれば、大化けするに違いないキャラクター。続き作られるため、ヒットしてくれ!w
原作の初期同様、小物感ヒデぇ。いや、銃夢より小物になってるなw。なのにやってることは性質が悪くなってるww。それが素晴らしいwww。
彼が「ダマスカス・ブレード」の持ち主だったの、驚いた。ダマスカスは設定が大きく変えられているアイテム。結局アリータのモノとなってるから、原作のように彼女のフェイバリット・ウェポンになるはず。
グリシュカ
チレン同様、OVA発祥のキャラ。
彼の役回り、元々は映画未登場キャラ、マカクの役だった。キャメロンさんはOVAを気に入ったから、チレンやグリシュカを採用したらしい。
なぜマカクではなくグリシュカなのか?と作者公式サイトで問うたら、「グリシュカは純粋な悪役なので扱いやすかったのかも、マカクは重みあるキャラだから、難しい」って考察した人が。
作者公式サイトは、20年の歴史持ち、年季入ったファンがうじゃうじゃ(言い方w)集っているのでw、楽しい話出来る。社会勉強も、させていただきました(厳しいこと忌憚なく言われて、鍛えられた)。管理人をしてる木城先生の実弟、木城ツトムさん、ユーザーの皆さん、この場を使ってお礼を言います。長いこと、ありがとうございます。これからもよろしく。
閑話休題。グリシュカがグラインド・カッター使ったの、意表突かれた。これも原作ではマカクが使った。
コヨミ
銃夢では、バー「カンサス」マスターの養女。まだ赤ちゃんだった(その後、十数年を経て、成長する)。
アリータでは、ヒューゴの仲間。ていうか、あまりに変わり過ぎてて、初見ではコヨミとわからなかった。かわいかったのでよしw。
ガーハード
原作でのゴンズさん。白人男性だったのが、黒人女性になってる。同性として、アリータの支えになってると想像。ゴンズさんほどの愛嬌がないのはな。
マクティーグ(マードック)
あれ?名前変わってたっけ?いい加減ですみません。
彼に出番だけでなく、活躍の場あったの、胸熱。4頭のサイボーグ犬も、忠実。続編への布石です。彼の犬が、ああいう扱い受け、アリータ覚醒のきっかけなのも、いいサプライズ。動物愛護団体に、ビビってませんねw。
キヌバ
キヌバが映画ではあまりにも気の毒過ぎるよ!!!!!wwwww 映画化で一番割食ったキャラ、キヌバだよ!!!www コロシアムチャンプでないどころか、たかがヒューゴ如きに!wwwww キャメロンめ…!(八つ当たりw)
マスター・クライヴ・リー(クライヴ・李)
こいつを出したのもわかってるなあ。でも必殺技見たかったし、ユーゴとの因縁も、描いてほしかった。
ゲルダ
アリータの武術の師匠(設定が変わってなければ)。この人にまで、出番が…。流石に、続編には出られないな。理由?このくらいは、伏せておこう。
ジャシュガン
映画ではちょっとしか出なかったが、銃夢ではガリィが「最強の敵」と認めた男。最も誇り高い男でもある。次作に期待だが、妹のシュミラを出す余裕、あるかな?
ノヴァ(ディスティ・ノヴァ)
今作全ての黒幕。チレンもベクターもグリシュカも、彼の操り人形。
原作では、大変重要、どころかガリィの次に大事な、裏主人公とも言えるキャラ。最大のライバルにして、ヒール。色々設定変更がされているが、ロドリゲス監督とキャメロンさんが、次回作でどう料理してくれるか、楽しみで仕方ない。
モーターボール・アナウンサー
キャラクターと言えるかどうか微妙w。じゃあなんで扱ったかと、古舘伊知郎の実況が最高だからw。CMでは「大丈夫か!?」だったが、流石だった。報道ステーションは好きな番組でしたが、彼にとって如何に窮屈な番組だったか、降板した後の古館見てるとよくわかるwww。
な、なんとか書き終えた…。愛を込める私のスタイル、当ブログの常連には、お馴染みですが、初見、特に木城先生公式サイトで私を知ってる人(紹介して、読んでもらうつもりw)は、面食らうだろーな。木城先生ご自身、「なんなのこの人!」と思うかもw。怖いww。でも反応楽しみwww。
ツイッターでのステマ、やり過ぎた…!ステルスでは全然ないし、逆効果だ…(-_-;)。やり始めたら、愛が止まんなかった…!!フェイスブックやインスタでもやるぜ!w SNS巡りをして思ったけど、ファンとは、勝手なことを、言うモンだねえ…(他人の話、言えんぞw)。
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コメント
「マンガ家としての責任と義務」とは具体的に何なのでしょうか。
「なんでも出版社や編集者に任せて」とおっしゃっていたので、全てを漫画家が自分でやるべき、ということなのでしょうか?
投稿: クレラップ | 2019年4月18日 (木曜日) 午後 07時49分
>クレラップさん
私が考える一つに、「作品が生んだトラブルへの対処」があります。
マンガの世界って、規制があって、暴力の問題、性の問題、差別の問題が問われることある。それを出版社任せにして、出版社の言うなりにしてしまう。表現規制の問題って、作者が個々に関係者と交渉しないので、ケースバイケース、は理想に過ぎないとしても、杓子定規な基準になってしまう。
読者の身に危険が及ぶ可能性あったトラブルってあって、それを作者は何一つコメントせず、編集部の判断で処理された時は呆れた。せめて自分の言葉で答えてほしかった。
東日本大震災の時、ある編集部が、マンガ家個々人がコメントすること許さず、編集部としてコメントしたのもガックリ来ちゃって…。作者の皆さんの言葉、一言でいいので読みたかったのです(追記・これは「作品が生んだトラブル」ではないですが、マンガ家には、そゆこともしてほしい)。
あまりに会社を信頼し過ぎて、作者がピンチに陥ったケースも。「会社がちゃんとやってくれてるだろう」と思ってたら、適当にやってたので、訴訟寸前の事態になった。
とりあえずこんなところ。
投稿: Ivan | 2019年4月18日 (木曜日) 午後 08時07分
規制は難しい問題ですね。
理想としてあなたの言っていることは頷けるところがあります。
しかし、少し漫画家と出版社をわけて考えすぎなのではないでしょうか。
漫画家が彼らの時間のほとんどを漫画を描くことに費やしているからこそ今のペースで漫画を出版することが可能になっています。
逆に言えば今のように専念できなくなれば年に数冊出ていた単行本が1年もしくは数年に1冊というペースに落ちるかもしれません。
それでは漫画家も出版社も商売にならないので、彼らは仕事を分担して協力して漫画を出版しているひとつのチームです。
外から見ている印象よりも強固な関係のビジネスパートナーと言えると思います。
漫画家がギリギリの時間の中で物語をできるだけ面白くしようと精一杯努力しながらその上でさらに
「ここはあの団体に何か言われる?ここはあの企業から訴えられる?ここはもしかして誰かが傷つく?」と全てのケースを想定し判断し回避しなければならないとしたら確実に漫画の表現やクオリティに大きな影響がありそれは我々漫画ファンにとっても損失です。
そもそも「どういった人達がどういった内容にどのくらい触れたらクレームを入れるのか」など漫画家個人にその大部分は事前に把握しようがなく回避のしようもありません。
そんな状態で漫画家に表現を完全に任せ「訴えられたら自分で対処してくれ、でも〆切は間に合わせてくれ」となれば漫画家は確実に漫画を作れなくなる。
一方出版社には日々クレームが入るのでどういう表現がどういう結果を招くのかという経験の蓄積があります。
なのでその部分の対処は必然的に出版社の仕事で然るべきだと思います。
彼らが経験則から責任を持って基準を作り判断し漫画家にそれを守らせるかわりにそれでも訴えられればどのような場合でも漫画家でなく彼らが前に立ち対処します。
自主規制というのは、出版社が漫画家のやりたい表現を歪めていると言えるかもしれないですが、よくない結果を招く可能性があると事前に教えてもらえるし何か起きれば対処してもらえるので漫画家としては安心して漫画に集中できる環境になっているとも言えます。
ビジネスパートナーを信頼しないで仕事をすることはできません。
漫画家が出版社を信頼するのは普通のことではないでしょうか?
信頼しすぎて会社が適当にやったら作者がピンチに陥ったケースがあるとのことですが
漫画であげた利益は当然漫画家が独占しているわけではなく出版社も受け取ります。
ちなみに印税のうち漫画家が受け取れるのは1割です。
出版社側が何割もらっているかは知りませんがそういう契約ですから彼らも自分達の仕事の責任と義務を果たさなければならないでしょう。
それを出版社が怠ったのに
なぜ漫画家にもその責任があるかのような
言い方をされるのか理解できません。
東日本大震災の件もなぜ漫画家がコメントする必要があるのかよくわかりません。
あなたが彼らの言葉を聞きたいと期待することは自由だと思いますが、それが彼らの責任や義務とは思えません。
震災当時自分は漫画家のアシスタントをしていました。出版社は機能しているのか、印刷所は動いているのか、計画停電がきたら〆切に間に合うのか、そんな話をしました。
自分はこんな状態ではしばらく漫画雑誌は出ないんじゃないかと思っていました。そもそも漫画の心配をしているようなレベルじゃないこの国は大丈夫なのかと本当に不安でした。
なのに先生は黙々といつものペースで作業を続けていて自分は信じられないような思いでそれを見ていました。
先生にも不安な気持ちは当然あるはずなのに、ひたすらペンを動かす姿に、集中力とかそういうのを超えた何か漫画に対する強い信念を感じました。
正直記憶が曖昧なところですが、確か結局雑誌は普段通り出版されて震災直後なのにいくつも作品が落ちているということはなかったはずです。全部ちゃんと載っていたかもしれません。
後々聞いた範囲ではやはりどの作家さんも仕事を続けていたようです。
そんな彼らのことを責任と義務を果たしていない子供だなんて思ってほしくないなと思ってコメントした次第です。
長文失礼しました。
投稿: クレラップ | 2019年4月18日 (木曜日) 午後 11時51分
「印税のうち漫画家が受け取れるのは1割」ではなく
「売り上げの1割が漫画家の印税になる」でした。
間違えました、すみませんでした。
投稿: クレラップ | 2019年4月19日 (金曜日) 午前 01時28分
>クレラップさん
遅れてすみません。ご返信ありがとうございます。
>規制は難しい問題ですね。
>理想としてあなたの言っていることは頷けるところがあります。
私の言い分が理想論に過ぎないのは、わかってます。
>しかし、少し漫画家と出版社をわけて考えすぎなのではないでしょうか。
そうかも知れません。どちらかと言うと、仲が悪いマンガ家と出版社を、見て来たので。
>漫画家がギリギリの時間の中で物語をできるだけ面白くしようと精一杯努力しながらその上でさらに
>「ここはあの団体に何か言われる?ここはあの企業から訴えられる?ここはもしかして誰かが傷つく?」と全てのケースを想定し判断し回避しなければならないとしたら確実に漫画の表現やクオリティに大きな影響がありそれは我々漫画ファンにとっても損失です。
>そもそも「どういった人達がどういった内容にどのくらい触れたらクレームを入れるのか」など漫画家個人にその大部分は事前に把握しようがなく回避のしようもありません。
ここには意見の相違があるのですが、抗議に対し、面倒な腫れ物に触る様な、目の上のたんこぶを扱うような対応を、してほしくは、ないのです。
私はあるゲームを、精神障害者だからとの理由で、運営からプレイを止められたこと、あります。もちろん運営としての、「もし何か事件が起こったら、あなたに責任が取れるのか」との気持ちも理屈も、わかります。なのでそれに関する詳しい説明を、求めたのですが、木で鼻を括った様な態度をとられ、マトモな応対を受けませんでした。抗議したかったですが、それにはリスクを負う覚悟がいるので、泣き寝入りしました。
私はそのゲームを遊びたかっただけです。しかし、損失を被りました。全てのケースを想定してほしいのではないのです。話し合いに応じ、「ここは、これではまずいんじゃないか」と言う姿勢で接して頂けると、とっても助かります。それにはマンガ家など、クリエイターがコミットすると、実現可能なのではと、勝手な希望的観測を持ってしまってます。
>そんな状態で漫画家に表現を完全に任せ「訴えられたら自分で対処してくれ、でも〆切は間に合わせてくれ」となれば漫画家は確実に漫画を作れなくなる。
>一方出版社には日々クレームが入るのでどういう表現がどういう結果を招くのかという経験の蓄積があります。
>なのでその部分の対処は必然的に出版社の仕事で然るべきだと思います。
>彼らが経験則から責任を持って基準を作り判断し漫画家にそれを守らせるかわりにそれでも訴えられればどのような場合でも漫画家でなく彼らが前に立ち対処します。
出版社がクレーム処理のノウハウを積んでるのはわかります。そうして社会は回っています。社会が個人的事情に対応しきるなど不可能ですし、市役所のサイトを見て、ユーザーとは如何に理不尽なクレームをつけるかも、知っています。
しかし、訴訟にまで持ち込める消費者は、経済的、人間関係、心理的に、ごくわずかです。私は抗議も出来ませんでした。私の様な「強くて」「威張り散らす」消費者に辟易してるのは、わかります。しかし「弱い」「声を上げない」ユーザーのことも、考えてほしいのです。
わずかな数の逸脱者が、なにもかもを駄目にしてしまうの、よくあることではありますが…。
>ビジネスパートナーを信頼しないで仕事をすることはできません。
>漫画家が出版社を信頼するのは普通のことではないでしょうか?
生憎、出版社を微塵も信頼してないマンガ家や作家の作品に、よく触れてるので。
>信頼しすぎて会社が適当にやったら作者がピンチに陥ったケースがあるとのことですが
>出版社側が何割もらっているかは知りませんがそういう契約ですから彼らも自分達の仕事の責任と義務を果たさなければならないでしょう。
>それを出版社が怠ったのに
>なぜ漫画家にもその責任があるかのような
>言い方をされるのか理解できません。
出版社の失態を、マンガ家個人に還元するような自己責任論は、確かに不当でした。そのケースではマンガ家の責任も、問われかけたのですが、当時私自身「マンガ家の責任など、問う必要はない!」と考えてたのを、迂闊にも忘れていました。すみません。
>東日本大震災の件もなぜ漫画家がコメントする必要があるのかよくわかりません。
>あなたが彼らの言葉を聞きたいと期待することは自由だと思いますが、それが彼らの責任や義務とは思えません。
説明不足でした。マンガ雑誌の巻末によくある、目次のコメント欄、それをとある編集部が控えさせたの、不満だったのです。あれは読者にとって、結構大きなコンテンツなのです。少なくとも私は、いつも楽しみにしています。
>震災当時自分は漫画家のアシスタントをしていました。出版社は機能しているのか、印刷所は動いているのか、計画停電がきたら〆切に間に合うのか、そんな話をしました。
>自分はこんな状態ではしばらく漫画雑誌は出ないんじゃないかと思っていました。そもそも漫画の心配をしているようなレベルじゃないこの国は大丈夫なのかと本当に不安でした。
>なのに先生は黙々といつものペースで作業を続けていて自分は信じられないような思いでそれを見ていました。
>先生にも不安な気持ちは当然あるはずなのに、ひたすらペンを動かす姿に、集中力とかそういうのを超えた何か漫画に対する強い信念を感じました。
>正直記憶が曖昧なところですが、確か結局雑誌は普段通り出版されて震災直後なのにいくつも作品が落ちているということはなかったはずです。全部ちゃんと載っていたかもしれません。
>後々聞いた範囲ではやはりどの作家さんも仕事を続けていたようです。
これは私の不明をお詫びします。震災当時、マンガ家や出版業界の皆さんが、大変な多忙だったの、少し考え、想像すれば簡単にわかることでした。巻末のコメントを控えさせた編集部は、多忙なマンガ家の労働量を軽減する為、企業努力したのだと、ご説明読んで理解しました。申し訳ありません。
>そんな彼らのことを責任と義務を果たしていない子供だなんて思ってほしくないなと思ってコメントした次第です。
これについては、複雑な感情があるのですが、控えます。
>長文失礼しました。
こちらこそ、ありがとうございました。大変勉強になりました。私なりの勉強は重ねたつもりだったのですが、まだまだ甘過ぎるなと痛感しました。この返信、苦痛だったとしたら、すみません。
投稿: Ivan-Petroski | 2019年4月19日 (金曜日) 午後 09時36分